住宅ローン金利が今後30年間は上がり続けるであろう構造的な理由
筆者は住宅ローン金利は今後30年間は上がり続けるのではないか?と考えています。
このため、住宅ローンを組む際には、変動金利ではなく固定金利でローンを組むべきなのでは?と考えています。
またそれは、現在の日本社会が抱える構造的な問題に起因するとも考えています。
現在の日本社会が抱える構造的な問題とは何でしょうか?
それは、日本社会で最も人口ボリュームが多い団塊の世代が年金を受給するようになったことです。
団塊の世代が年金を受給するようになったことと、住宅ローン金利が今後30年間も上がり続けることは一見何も関係がないことのように思われます。
しかし、筆者からするとそれは関係大有りです。
その理由は日本で最も人口ボリュームが多い団塊の世代が、これまでの30年間の日本社会を作ってきたし、今後30年間の日本社会も作っていくことになるので、当然、今後30年間の住宅ローン金利にも大きな影響を与えることになるからです。
これまでの日本の30年間は、団塊の世代の正社員特権を守るために様々な制度が設計・運用されていました。
これからの日本の30年間は、団塊の世代の年金を守るための社会になっていきます。
団塊の世代の年金を守るための社会では、デフレ時代に守られていた正社員特権は不要になります。
かつての現役世代だった団塊の世代に与えられていた様々な特権が、団塊の世代の年金死守のために次々に壊されていくのが次の30年間になります。
そのなかの1つが住宅ローン金利です。
これまで住宅ローン金利が低金利で30年間横ばいだったのは、団塊の世代が現役世代だったからです。
今後は正社員に与えられていたこの低金利住宅ローン優遇は金利上昇という形で意味を失っていくでしょう。
これまで政府・日銀が大規模な金融緩和に踏み切れなかった理由の1つは、住宅ローン金利が上がることにより、かつて現役世代だった団塊の世代の既得権を脅かしてしまうからでした。
これからの日本では以前のように団塊の世代が現役世代ではないため、政府・日銀は容赦なく住宅ローン金利の上昇を誘発するインフレ政策を取り続けることになるでしょう。
団塊の世代が自分たちの雇用を守るために、自分たちの子世代である就職氷河期世代の雇用を犠牲にしたことは有名な話です。
筆者は、住宅ローン金利の世界においても同じようなことが起きていると考えているのです。
※もちろん日銀の政策金利や住宅ローン金利に影響を与えるのは、日本国内の構造的問題だけはありません。アメリカや諸外国の金利も日本の住宅ローン金利に影響を与えます。本論考はそれらを一旦無視して日本国内の構造的問題にフォーカスしています。本論考はこの前提を踏まえた合理的な住宅ローン金利推移に関する推論になります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?