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個性がつながる、タフなチームの作り方:DENSOさんインタビュー

こんにちは、アクアリングの岩本です。

今回は、以前紹介したプロジェクトがようやく公開をむかえましたので、クライアント担当者さんのインタビューをまじえて、当時を振り返りながら紹介したいと思います。

今回紹介するのは株式会社デンソーのコーポレートサイトリニューアル。

「100年に1度」と言われる「大変革の時代」を迎える自動車業界においてデンソーのブランディングを大きく担う役割であるコーポレートサイトをリニューアルしました。
サイト制作だけにとどまらずコミュニケーション戦略や、コンテンツ開発をワークショップ形式でスプリントするなど、頭と手を動かす共創スタイルで取りくんだプロジェクトです。


1年半にもおよぶ長いプロジェクトになり、語りつくせないため、今回は"チームづくり"というテーマにフォーカスします。
個人的にも興味深いテーマなので聞いてみたい。

お話いただくのは、株式会社デンソー広報・渉外部 ブランド推進室 デジタルコミュニケーション課の阿部さんです。
(以下敬称略)

リニューアルのプロジェクトリーダーを担った、リーダー目線で話を聞かせてもらいます。


――よろしくお願いします。今日は"チームづくり"のテーマについて以下の流れで質問させていただきます。

 ・リニューアル開始時に抱えていたチーム課題
 ・今回のプロジェクトでトライしたこと
 ・印象に残っていること
 ・振り返ってみた、まとめ

阿部 はい、よろしくお願いします。

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左:デンソー 阿部、右:アクアリング 岩本

 "動物園"と呼ばれる個性派集団「デジコミュ課」。


――もともと、チームづくりにおいて抱えていた課題、思い描いていたチーム像があれば、教えてください。


阿部 我々デジタルコミュニケーション課(以下、デジコミュ課)は、周りから "動物園" と呼ばれるほどの個性派が集まっています。
それはとてもいい意味で。笑
くせがあるというのはある意味ゆずれない想いやこだわりがあることなので、僕はそれを"面白い"と、とらえてます。
いかにしてそれぞれの長所が生きて、特長をうまく絡めて、それぞれがもつスペシャリティが育つしくみがつくれるか。
どれだけ集団として機能するかを、日々考えています。

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岩本 たしかに。デンソーのみなさんはあだ名をつけたくなるような、個々のキャラクターが強かったです。笑

阿部 会社としてもソフトウェア・ファーストの思考を持ったチームづくりを目指しており、自分たちで "課題" を見つけて "解決" する。を、習慣化させたい。そのための手法も普段からいろいろとトライしていました。


1番大切な "目的" から、真剣にディスカッションした。


――リニューアルプロジェクトでトライしたことを教えてください。

阿部 これはもう、あの手この手、とりあえずいろいろトライしましたね。

まずは、一番大切な "目的" から、みんなで真剣にディスカッションしました。自分たちは "なんのため" に存在し、誰のどういう行動を促すのがゴールなのか、そのためにはどんなことをしなくちゃいけないのか。
これはみんなの考え方や行動ががけっこう変わったと思います。

そしてメンバーが自分の個性に気づくためにUXデザイナー、データサイエンティスト、デザインシンカーなどメンバーの個性に併せた役割と責任と権限をきちんと決めて、当事者意識を高めるやり方も試してみたり。

さらに、デジコミュ課はコーポレートサイトの管轄してますが、今まではコンテンツオーナー(事業部)からの要望を受けて、より良い見せ方でWebページをつくる。という役割が多かった。
それでは受け身すぎるため、コンテンツオーナー制を廃止し、デジコミュ課メンバーをコンテンツプロデューサーに昇格させることで、「僕らが社会のターゲットとのコミュニケーションをプロデュースする」とう立場にシフトして意識変化をうながしました。

その上で今回のリニューアルプロジェクトにおける"コミュニケーション戦略"を全員参加で考えるようにしたことです。
戦略フェーズはめちゃくちゃ時間をかけてやりましたよね。

岩本 そうですね。私も個人的に一番印象に残っているのは "戦略フェーズ"にじっくりと時間をかけて、皆さんと一緒に考え、作り上げたこと。
戦略(初期仮説)の検証にあれだけ時間をかけて練り上げたのは、珍しいケースでした。

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戦略フェーズでの検討内容(一部抜粋)

岩本 あれだけしっかりと話し合ったので、その後制作フェーズでブレることがほとんどなかったですね。

阿部 そうそう。さらにあの時決めた内容がいまは"部"の方針になっていますよ。とてもいいことだったと思います。

ほかにも細かいところであれこれしましたが、メンバーの意識合わせができたことで走りだせる下地がほぼ整ったのではないでしょうか。


目指すべき場所がどんどんハッキリと見えていく作業はワクワクした。


――印象に残っているエピソードや取り組みがあれば教えてください。


阿部
 特にプロジェクト前半は主義主張をみんなノーガードで撃ち合っていることもあり、こちらのメンバー同士でもめることも...アクアリングさんの前でもなんどやったか...微笑ましく眺めてくれるアクアリングさん。よく愛想つかされないなと、いつも思ってました。

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それでも飲み会とか結構やるほうだし、みんなちゃんとくるし、いつもめちゃくちゃ盛り上がってる。さっき殴り合ったことなんかまるで無かったみたいに仲よくなれる。そんな漫画みたいな今のチームが本当に大好きですね


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岩本 ある意味、言い合える環境はできてましたよね。心理的安全性?
そして飲み会は毎回とても楽しかったです。


阿部 あと、Storiesのワークショップは本当に面白かったなー。デザインスプリントでスピード感もってモックをしあげて、意見を集約し、最速で合意形成を行うことができた。


目指すべき場所がどんどんハッキリと見えていく作業はワクワクした。それをチームみんなで作って、ワクワクを共有できたことが重要

ただ同時に、走り始めたらことばでは言い尽くせないほどの産みの苦しみを味わうことになったなぁ...とか。


阿部 それから、別で動いていたブランディングプロジェクトとコーポレートサイトチームでコラボしたのは、新しい体験でした。ブランディングとWebの融合が面白かった。水平協業で、横の連携は今後も取り入れていきたいです。

岩本 コントラプンクトさんとのワークですよね。コラボレーションは我々チームにとっても、新しい視点が入り、考え方が活性化されたと思います。

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コントラプンクト社とのコレボレーションワークショップの様子


新しいことにもひるまない、メンバーが自走モードに。


――では、プロジェクトをふり返ってみて今回の「チームづくり」をまとめてみるとどうでしょうか?

阿部 とにかく、すべてが新しいことのチャレンジでしたから。
これまではやりきれてこなかった "未来" を描いたり、眠っていた情報資産を "オープン" にしたり、事業部の "壁" を越えたり壊したり、働きかたをウォーターフォールから "アジャイル" に変えたり、広報が情報発信に関する "責任と権限" を持ったり、全体を "ガバナンス" しようとしたり。

どれひとつとっても、壮大で困難なプロジェクトですが、これ一気に挑戦するとか、相当クレイジーでしたね。笑

岩本 一般的なコーポレートサイトリニューアルにおさまる話ではなかったです。笑

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阿部 それが実行できた要因として、いま改めて思うのは2つです。

❶ "目的" を、最初に明確にできたこと

1つ目は集団の "目的" を、最初に明確にできたこと。それが何より良かった。みんなが目指すべきゴールが、しっかり全員腹に落ちてたから、見ているベクトルが揃っていた。これができればあとは全員でゴールに向かって走り続ける状態ができたと思います。


❷ やっぱり"人"

2つ目はチームメンバーの「個性」と「成長欲求」だと思ってます。負けても否定されてもくじけない "好き"がある。これだけは譲れない "哲学" がある。そしてメンバー全員から成長を求めていることがひしひしと感じられる。そういうハングリーさは欠かせない。

個性がないと何をしていいかわからず指示を待って佇むだろうし、成長欲求がないと、割り振られた仕事をやらされ感でやってしまう。そうではなく、能動的に動けるチームメンバーに恵まれたことが、結局すべてかなと思います。

岩本 プロジェクトの後半はそれぞれが自走モードに入って進めていましたね。同じビジョンを見ているから、新しい挑戦にもくじけないし、各自の強い意志でリードしてくれるタフなチームとなっていたと思います。

阿部 そうそう我々が細かいチェックをしなくても勝手に進んでいました。笑



――アクアリングがチーム作りに良い影響を与えることができましたか?


阿部
 同じ目線で、同じ課題感を持って、同じ目標をおもしろいと思ってくれる "仲間" が必要不可欠でした。
こんな無謀でめんどくさそうな案件に、おもしろがって一緒にやってくれたこと。そして不安と半信半疑のなかで並走し続けてくれたこと。

アクアリングメンバーにはそれぞれの分野のスペシャリストがいてくれてめちゃくちゃ助かった。ほぼマンツーマンでついてもらって、なんでも分からないことを普通に聞けちゃう。チームの一員である感がすごい。

岩本 最後に褒めてくれてありがとうございます。

阿部 ようやく船が完成してローンチをむかえ、これからようやく本当の航海がはじまります。これからのデジコミュ課は、もっともっと自分たちから仕掛けていきます。強力なアウトプットと実行力を武器にして。
同じ船のクルーとして、今後もいろいろとおもしろいことに一緒に挑戦しましょう。

岩本 これからもガンガン仕掛けていきましょう!本日はありがとうございました。

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(最後に阿部さんからひと言)
デンソーって、めちゃくちゃおもしろい会社で、クレイジーな技術者の集団です。こんなんあったらいいよな、をほんとにカタチにしてしまう会社。"クルマ部品" じゃなくて "実現力" を売ってる会社なんです。これから世界中のいろんなアイディアと、僕らの実現力のかけ算で、世の中をどんどんおもしろくしていきたいと考えています。ぜひなんか、おもしろいこと一緒にやりましょう!刈谷まで遊びに来てください。


さいごに

今回のプロジェクトは私自身もとても学びが多く、「チームづくり」の重要性を考え直すきっかけになりました。
そしてとにかく「楽しかった」。

まだまだ語り切れないエピソードがたくさんありますので、また別の機会に紹介したいと思います。

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