【日々の取り組み】久慈市の財政状況と今後の見通しについて
久慈市はお金がない…という話は、市民のみなさんであればどこかで聞き及んでいるかと思います。でも、漠然とお金がないという話だけ先行しているような気もします。
財政状況と今後の見通しについては、2024年11月1日号の市広報にも掲載されていますが、私もみなさまに情報共有したいと思います。
なお、この記事に対しての個人的な見解や今後の取り組みの方向性として、目次の「これから」に記しています。
※この記事に掲載する資料は、以前、市当局から説明を受けた際のものを許可を得たうえで引用しています。
久慈市の財政状況
●歳入歳出決算の推移
東日本大震災からの復旧・復興事業により、平成23年から平成24年にかけて大きく増加した歳入歳出額は、その後、復興事業の落ち着きにより徐々に減少傾向にありましたが、平成28年度以降は、平成28年台風第10号、令和元年台風第19 号及び新型コロナウイルス感染症対策関係の経費により、近年は高い水準で推移しています。
●歳入決算の推移(通常分)
・普通会計の歳入決算(通常分)は、東日本大震災以降ほぼ横ばいで推移していましたが、平成28年度以降は、平成28年台風第10号、令和元年台風第19号及び新型コロナウイルス感染症対策関係の経費により、国庫支出金が大幅に増加している。
・一方で市税については、近年減少傾向となっている。
●歳出決算の推移 : 歳出 費目ごとの支出額の推移 (通常分)
普通会計歳出の主な費目ごとの増減額を見ると、公債費は減少傾向にあるものの、その他の費目については、社会保障施策の充実、物価の高騰等の影響により増加傾向にあります。
●歳出決算の推移 : 歳出 経常一般財源 の推移 (通常分)
・普通会計の歳出経常一般財源の決算(通常分)は、その他の経費を中心に増加傾向となっている。
・人件費充当の経常一般財源は概ね横ばい、公債費は減少となっているが、その他の経費の増額分が大きいため全体として増加傾向となっている。
●経常収支比率の推移
・経常収支比率は自治体財政の柔軟性(硬直性)を示す指標。(80%を超えると財政が硬直化しているとされる)
・全国的に経常収支比率は経常一般財源の増と、地方交付税の合併算定替の終了による減額、人口減少による市税の減少等により年々上昇傾向であるが、当市でも近年は95%を超えている
・経常的な一般財源の増加は見込めない状況であり、事業見直しによる経常経費の削減が急務
●基金残高の推移(年度末残高)
・財政調整基金、市債管理基金ともに近年減少傾向となっています。
・令和6年度の当初予算編成では財政調整基金、市債管理基金併せて約6億円の取り崩しを行いました。また、令和6年度の補正予算で措置しなければならない一般財源は10億円を超える見込みです。 一般財源の削減を行なわなければ数年で基金が枯渇する状況となっています
●主な財政指標の状況:県内都市との比較
・震災前の平成22年度と令和5年度を比較すると、実質公債費比率、将来負担比率ともに改善しているが、改善の速度は 県内都市よりも遅く、13市中で中程度から、最下位程度となった。
・久慈湊小学校の移転改築事業が今後本格化することや、防災対策をはじめとする今後見込まれる大型事業の実施により、指標の早期の改善は難しい状況
●主な財政指標の状況:類似団体との実質公債費比率の比較
・類似団体との実質公債費比率の推移を比較すると、平成21年度時点でほぼ同水準にありました。
・久慈市も減少していますが、類似団体と比較すると減少幅が緩やかであることが分かります。
久慈市の財政見通し
●収支見通し(歳入歳出差引額)
・全国他自治体においても、経常一般財源の増、地方交付税の合併算定替えによる減額、人口減少による市税の減少等により、今後の財政状況は厳しい状況となると推測される
・久慈市では、令和10年度に財政調整基金が1億円を割り込む。また、令和11年度には財政調整基金及び市債管理基金が枯渇し、収支が赤字に転落
・その後は累積赤字が発生し続ける
持続可能な行財政基盤の構築に向けた取り組み
●財政健全化重点項目の取組実施について
市財政の将来を見据え、財政の下降傾向を立て直すため、令和7年度から令和9年度までの3年間を重点取組み期間とする「財政健全化重点項目」を実行し、収支均衡を目指すとのことです
●財政健全化項目の取組効果
・財政健全化項目の実行により、今後の収支は概ね均衡する
・起債発行額の抑制等効果発現まで数年を要する項目もあるため、早急に取り組みを実行することが必要
●今後の取り組みついて
2050年二酸化炭素排出実質ゼロ宣言自治体として、再生可能エネルギーの導入に取り組むことで、持続可能な行財政基盤の構築を進めるとのことです
これから
令和6年2月議会での一般質問を終えて|岩城りょう の記事でも行財政改革の必要性について一般質問を行っていますが、これまで通りの市政運営では遅かれ早かれ危機的な状況に陥ることは明白です。
経済の成長に向けた各種政策の推進や市民対話による魅力あるまちづくりを進めることは当然のこととして、覚悟を持った行財政改革を同時に推し進めなければいけません。市政運営から市政経営への転換が必要です。
今回、市からは、7つの財政健全化項目が示されましたが、行政に関与する人間であれば、やらねばいけないということは誰もが分かっていることです。肝心なのは、実行するのかしないのか、これに尽きます。
このまま実行されずに全市民が夢と希望を持てない方向へ市政が進むことは絶対に避けなければなりません。未来にツケを残す政治ではなく、未来に責任を持つ政治を進めるため、強い覚悟を持って真正面から取り組んでいきます。
#日々の取り組み
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