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【FM店主日記Day35】不信任案とさかなクン

斉藤県知事の話がかなりの熱量で連日報道されている。

この間までは自分の言動や行動のせいで自殺する人が出ているのに何の感情移入もない知事の椅子に固執し続けるサイコパスという感じでメディアでは紹介されていたし、その流れを汲むみたいに不信任案は無事に(?)86人の議員全員が承認する形で可決された。

基本的に僕は政治に興味がないので、心の底ではまぁどっちでもいいじゃん、と思っているし、ここまで言われたら原因が何であれ知事は辞任するしかないようにしか思えないのだけれど、議員全員が彼を悪者だと思っている、あるいは彼を悪者に仕立て上げることに加担している、という部分にはどうも違和感を覚える。

この話はあくまでも印象に基づく憶測でしかないので、別に真面目に読んでもらわなくてよいのだけれど、なんか小学校とか中学校レベルの陰湿ないじめみたいなことが知事に対して行われているだけなのではないか、という気がしてならない。

自分のようなフリーランスの人間にとって、役所で働いている人たちというのは、敵になることはあっても味方になってくれることはほとんどないし、ルールを守る能力には長けていても、なぜそのルールが作られたのか、とか、そのルールを守ることがどれほど大切なのか、とか、そのルールを守りつつ別のやり方でなんとかすることはできないのか、とかそういう相談には全く乗ってくれない印象だし、実際にいろんな相談をしにいったことはあるのだけれど、いずれの場合も、「こっちはそちらに依頼された仕事を遂行しました。結果ダメでした」みたいなまるで役人のような返答をよこすだけで、こちらがなぜわざわざ依頼にいったのか、その意図がどこにあるのか、というのはまるで汲んでくれず、言われたことだけやってれば自分は安泰だし、それ以外のことをするのは損という、なんというかあんまり地頭の良くないどちらかというと優等生にいるタイプの、もっと言うと、自分より勉強ができない人たちには偉そうだったり、集団になると強気な発言をしてきたりするのだけれど、一人だとあんまり弁の立つタイプではなくて、将棋とか自分の頭で戦略を考えてピンチを脱するみたいなゲームはめっぽう苦手な人たちの集合体な気がしているので、そういう人たちを敵に回してしまうとかなり陰湿なルールでがんじがらめにして杓子定規な言いがかりをつけまくってくるだろうな、というのは予測できるので、斉藤県知事の場合も、たまたまそういう状況になってしまったじゃないだろうか、と感じている。

斉藤県知事は決して頭の悪い人ではない、という印象だし、むしろ県の職員とうまくやっていくには頭が良すぎるのではないか、とも思う。県の職員の人たちの能力はこのくらいだろうな、と思って接してみたら実は職員の能力レベルが想定していたよりも随分低かったことで苛立ってしまう場面が増えたり、彼の立場が危うくなるようなエピソードを増やす目的で、激怒するまで故意に嫌がらせを繰り返された可能性もあるような気がする。

さかなクンがこんな文章を書いていて、ほんとにそうだなと思ったのだけれど、役所っていう環境はこういうことが起きやすいのではないかと想像している。

中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。いばっていた先輩(せんぱい)が3年になったとたん、無視されたこともありました。突然のことで、わけはわかりませんでした。

 でも、さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。

 広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。

(いじめられている君へ)さかなクン「広い海へ出てみよう」| 朝日新聞デジタル

僕はあまり人に忖度したり、何かに執着するタイプではないし、基本的に自由でいたいタイプで、自分の、あるいは他人の自由を守るためには時に厳しいことを言ったり、破天荒に見えるようなことをすることもある。ただその分、自由には責任が伴うことも自覚してるつもりなのだけど、側から見ると何の努力もせずにただ自由にぷらぷらしているように見えるせいか、妬まれたり嫌われたりすることは割とよくあるし、特に役人タイプの人たちには煙たがられることがある。

斉藤県知事の話を眺めていると、なんとなく彼が置かれているであろう動かし難い状況が想像できてしまうせいで、どちらかというと僕は斉藤県知事を支持してあげたい気持ちに最近はなっている。彼がちょっとくらいひどい人間でちょっとくらいサイコパスだったとしても、そんなあからさまな仲間はずれにされるっていうのはどう考えてもおかしい気がするし、県職員とか議員とかはこれまでの人生で仲間外れにされたことがない人が多いんじゃないかなと思っているし、全員が不信任案に賛成するっていう集団心理みたいなのって少なくとも感心も共感もできないし日本社会の醜悪な部分を垣間見てるような気がしてならない。そもそも仲間外れを経験したことのない人の優しさとか傷ついたとかいう主張なんてままごとみたいなものだろうし。

結論:仲間外れを意図的に作りだすことと予定のドタキャンはどんな時も良くないし、どんな時もさかなクンはだいたい正しい。

フェルマータ店主 KAORU


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