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【FM店主日記Day14】見終わった後に、「ああバカバカしかった」くらいしか感想が残らない作品が一番ちょうどいい

短編映画が好きだ。

特に映画祭などで観るような、誰も有名な俳優が出演していない作品やら初監督作品やら、演技がいまいちだったり、音楽がちょっと的外れだったり、何かしらの欠点がわかりやすい作品がむしろかなり好きだ。

30分以下の短編映画は割とジャストワンアイデア的なコンセプトで作られていることが多いのだけれど、そういう中でも世界観がちょっといい感じに頭がおかしい作品は1日に何本でも見ていられる。

何度か映画の字幕翻訳をやったことがあるので、その関係でゆうばりファンタスティック映画祭に映画関係者の顔をして参加したことがあるのだけど、夕張の町は飲み屋が駅前の一ヶ所しか基本的にはないので、映画祭に参加している人たちは有名無名年齢性別国籍など問わずに同じところで酒を呑むことになるのだけれど、その時のクリエイティブにどっぷり浸かっている人たち同士が交わし合う何気ない会話とか、酔っ払って勃発する言い争いとか、さっき観たばかりの作品の監督や俳優さんたちが同じ場所で飲んでいる雰囲気とか別々の作品で参加している顔見知りの関係者が久しぶりに会って喜んでいる姿とか、短編映画を観ているとそういう風景がまぶたの裏に浮かび上がってくるような気すらして親近感も湧いてくる。予算のない映画が苦労して撮影したシーンやら、自分の作品をなんとか世に出したくてアルバイトでお金を貯めては作品作りに精を出す若手監督とか、なんかもうそういうの全部ひっくりめて結構愛おしいと思ってしまったりする。まぁ、つまり俺もそれだけ年を取ってしまったのだろうけど。

で、今朝何気なくアマプラで再生した長谷川徹監督の「失恋科」という作品が、絵に描いたようなワンアイデアベースで撮り切った簡潔かつコミカルな軽妙なタッチの作品で結構よかったのでそんなことを書いてしまった。

ゆうばり映画祭で見た作品で、「美女捨山」っていう作品があってあれもなかなか良かったけれど、この失恋科の世界観も少し共通する馬鹿馬鹿しい部分がある作品で、なかなかツボだった。短編映画はややこしい伏線の回収とか、登場人物が入れ替わり立ち替わりしたりとか、複雑な要素がなく純粋に楽しめてよい。

1時間未満で見れて、見終わった後に、「ああバカバカしかった」くらいしか感想が残らない作品が一番ちょうどいいなぁ、と思えるってことは俺はなんか人生に疲れているのかも知れない。

アマプラには結構短編があるみたいなので、しばらく短編クエストをしてみようかと思っているので、またオススメが見つかったらここに書き込んでみようかと思う。フェルマータに大画面が設置されたので、暇な時間に見ることが可能になったので、Netflixかアマプラで見れる作品でオススメがあればぜひコメントで教えて欲しい。

今日は今から餃子パーティーで、おそらく終わる頃にはまともな文章が書ける状態ではないような気がしたので先回りして更新しておいた。毎日書くのって大変である。何を隠そう、だからやりたくなかったのだ(笑)。

フェルマータ店主 KAORU


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