見出し画像

世界3大パーティーは壮大だった

内向的な性格を自称しています。
基本人と関わりたくないし、できるなら一人で楽しんでいたいタイプの人間です。MBTIでいうとINTJ(建築家)です。LINEの友達は10人以下、定期的に会話をするような間柄の友人も片手で収まる程度です。

そんな性格の自分が、あえて世界規模のパーティーに参加して、分厚い殻を破ってみようと試みる内容です。



内向的な自分が内面と向き合う期間

元から内気な性格なのですが、学生時代は周囲と合わせる為に無理して外交的な自分を演じていました。

大学4年の夏(2021)、ちょうどコロナ期間が終息へ向かい始めた頃、ついに限界が訪れます。周りの目を気にしながら振る舞うことへの疲れから、Instagram、LINE、Twitter全てのアカウントを削除しました。

その後は自分とひたすら向き合う期間でした。自分は何をしたいのか、何に喜びを感じ、何に対して嫌な感情を抱くのか、内面と語り合う日々でした。

気づけば1年が経過し、2022年の夏を迎えます。社会人一年目として粛々と働きながら、日常の彩りを求めていました。

せっかく一人の時間を満喫できる機会です。何かしようと考えて始めます。ひとまずは、今まで人目を気にしながら抑圧された生活をしてきたので、一気に開放してやろうと、そう決めました。


新卒1年目で東南アジアへ旅に出る


2022年11月から2023年の2月、合計100日間東南アジアを巡ってました。訪れた国はタイ、ベトナム、カンボジア、フィリピンの計4カ国です。仕事は継続しながら、日中は働いて業務時間外に旅を楽しむ、そんな生活をしていました。


せっかく旅に出たのだから「今までの自分だったら絶対にやらなかったことに挑戦しよう」と思います。それがクラブ参加です。当時の私は人生で一度もクラブへ行ったことがありません。何であんな騒がしい場所に好き好んで行くんだ、くらい偏見の眼差しでクラブを毛嫌いしていました。


クラブに対して偏見を持っていた頃の自分

「やったこともないのに偏見だけで物を言う人」がいます。
例に漏れず私もその立場の人間でした。

体験するからこそ理解できる面白さ、奥深さ、楽しみ方があると思います。趣味なんてまさにその一例です。「そんなことして何が楽しいの?」という問いを消化する為には、又聞きの言葉だけでは不十分です。

体験したことない立場の人間が、実際に楽しんでいる人たちを否定するのはお門違いなのかもしれない。自分と向き合う時間を作り始めてから、次第に考え方が変わっていきました。

こうした背景から、せっかくなら食わず嫌いを克服してみようと考え出します。ただ、「普通にクラブに参加するだけもな〜」と悩みます。

なんせ人生で初めての挑戦です。どうせなら、世界規模のヤバい所に参加してやろうくらいの気持ちでいました。そこで、ちょうどピッタリな催し物の存在を知ります。


世界3大パーティーが開催されるタイの離島

日本の3大祭と言えば京都の祇園、大阪の天神、東京の神田が有名です。

同様に、世界にも三大祭りならぬ3大パーティーと呼ばれる祭典が存在します。それがタイのパンガン島、スペインのイビザ島、インドのゴアです。

これら3つの都市(島)で世界中のパリピ達が夜通しどんちゃん騒ぎをしています。彼ら彼女らは何を目的に、何が楽しくて一晩中踊り明かすのか。私、非常に気になります。なんせ私にとっては未知の世界です。

ちょうどタイに訪れていたこともあり、パンガン島で開催される「フルムーンパーティー」について調べ始めます。

「Full Moon Party(フルムーンパーティー)」はタイ南部・パガン島(通称:パンガン島)で、毎月満月の夜に開催されるビーチパーティーです。“世界三大フルムーンレイブパーティー”のひとつと言われ、毎月約2万人〜4万人の人々が世界中から集まります。パーティーとして知られていますが、お祭りのような感覚でお子様連れの音楽好きな家族も多数参加されています。

[タイ国政府観光庁:AMAZING THAILAND](https://www.thailandtravel.or.jp/full-moon-party/)より引用

文字だけでも圧倒されそうな熱気を感じます。通常の人混みでも酔ってしまうような自分がこんな場所に訪れたらどうなってしまうのやら、期待と不安、怯えと好奇心が入り混じった複雑な感情になりました。

しかも、この祭り、12月31日の年末から年始にかけて開催されるとのこと。パリピに混じって年越しパーティー。この響きだけで参加の意思が固まりました。


年末のカオスを求めてパンガン島へ向かう

パンガン島への行き方は主に2つです。

  1. サムイ島(隣島)からフェリーで移動

  2. スラタニ(タイ南部の都市)からフェリーで移動

2つめの選択肢の方が1と比べて飛行機代が2~3万円安く済みます。私の場合はバンコクからスラタニへ飛行機で移動し、そこからフェリーでサムイ島を経由してパンガン島に訪れました。

パンガン島はサムイ島から北へ約12キロの距離に位置します。大型船で約2時間半、小型ジェット船だと約20分で移動できます。仕事の関係もあり、12月29日まではネット回線の安定したスラタニで過ごし、年明け2日までサムイ島で宿を取りました。


ハイシーズンのパンガン島はどこも宿が高かったので断念しました。その為、31日にフェリーでパンガン島へ移動し、明け方フェリーでサムイ島へ帰還するという選択肢を取りました。


フルムーンパーティー当日

正午過ぎ、フェリー乗り場まで向かい船でパンガン島を目指します。

島に到着してから、祭り開催時刻まで6時間ほど空いていたので当たりを散策します。アムステルダム・バーと呼ばれる見晴らしの良いカフェでまったり過ごします。


会場となるハードリン•ビートルズへやってきました。ビーチ全体が会場となります。まだ序章に過ぎないはずなのに、圧倒されるほどの熱気に既に疲れ気味です。入場料の200TBH(約800円)を支払い、会場へ足を踏み入れます。


周りを見渡すと、顔や腕、足などにフェイスペイントしている人達が目立ちます。蛍光塗料になっているので、夜灯りに照らされると綺麗に発光します。せっかくなので、周囲に擬態する意味も兼ねて私も挑戦します。

ビーチに繰り出すと、そこは人で溢れかえっていました。内向的な私とは対照的な、とても陽気な外国人観光客達だらけです。この時点でかなり帰りたくなりましたが、翌朝まで帰る手段を持ち合わせていません。ここまできたら、あとは殻を破って楽しむのみです。

もっと嫌悪感露わにネガティブな感情を抱くと予想していたのですが、不思議と高揚感に満ちていました。独自に作り上げていた偏見は既に消えさっており、周囲の笑顔が伝染したかのごとく、自身の顔がニヤついていることに気がつきます。

「この人達はなんて面白い人生の楽しみかたを知っているのだ!」と尊敬すら憶え始めました。郷に入っては郷に従う精神で私も楽しむことに集中します。

燃え盛る炎の大縄跳びで火傷しかけたり、DJのまん前で踊り散らかしたり、ビーチ沿いで走りながら奇声を発してみたり。とても今までの自分とは思えない姿でパンガン島の夜を楽しんでいました。

パリピよりもパーティーを満喫している自負を抱きながらスマホを眺めると、気づけば時計はてっぺんを回ろうとしています。迎えるは2022年の締め、年越しです。今年があと数秒たらずで幕を閉じるのだと、噛み締める余裕もないまま、ビーチ中にカウントダウンの歓声が響き渡ります。

10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、、、

DJ「Happy NewYear mother fuxxer~~~~~~!!!!!」

参加者「うぉおおおおおおおおおおおお!!!!!」

そこからは一気に疲労が押し寄せ、ビーチ沿いのベンチで仮眠を取りながら朝を待ち続けました。さすがに、このテンションを朝まで継続することは難しかったです。周りはお構いなしにどんちゃん騒ぎだったので、体力の違いを感じさせられました。そして迎える朝。パンガン島の初日の出は非常に美しかった。全ての疲労が洗い流されるほどに。

参加してみた感想

結論、参加して良かったです。普段しないことにあえて挑戦してみると、今までとは違う景色が見えてきます。ずっとこのテンションで過ごせるかと言えば、絶対に無理ですが。1年に1度くらいであれば、自分の殻を破って抑圧されていたものを解放するのもありだなと思えました。

クラブとはまた違った催しでしたが、これでクラブに対する偏見も消え去りました。彼ら彼女らとは生きる世界は違えど、純粋に「楽しむ」ことに対して真摯に向き合っている点で、近いしものを感じました。そういった意味では、尊敬に値するとさえ思えています。

偏見をそのままにしておくと、偏った考えが凝り固まり、それが標準となってきます。誰しも理解できないものは怖いし、理解に対して拒絶反応を起こします。その気持ちが時に他者への当て付けとなり、憎悪となり、壁を作るきっかけにもなりえます。

大切なのは、理解できないから批判するのではなく、理解しようとする姿勢なのだろうなと、一つの気づきを得ることができました。今後も自分が体験していないこと、調べようともしなかったことに対して、嫌悪感を抱くこともあると思います。その時は、一旦その感情を隅に置いて、一度理解を試みてみようと、そう思えました。



最後までこのnoteを読んでくださってありがとうございます。自身の殻を破りたい、一歩踏み出してみようと思ってる方にとって、このnoteが何かしらのヒントになって頂けると幸いです。


P.S
2023年の年末はインドのゴアで年を越しました。これで世界3大パーティーの2/3を攻略したことになります。スペインは行く予定がないですが、いつかはイビサ島で最後のピースを埋めに行くのも楽しそうだなと思っています。


いいなと思ったら応援しよう!