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私的音楽アーカイブ116(カマシワシントンほか)

1151.カマシワシントン:THE EPIC
1152.挾間美帆:Journey to Journey
1153.エスペランサスポルディング:RADIO MUSIC SOCIETY
1154.ロバートグラスパー:COVERD
1155.宮川純:THE WAY
1156.黒田卓也:RISING SON
1157.朝比奈隆指揮大阪フィル:ブルックナー「交響曲第7番」
1158.佐渡裕指揮NHK交響楽団:ホルスト「組曲『惑星』」
1159.トスカニーニ指揮NBC交響楽団 ベートーヴェン交響曲全集’39
1160.クナッパーツブッシュ:舞踏への勧誘

⚫︎1151.サックスプレイヤーのカマシワシントンは、ロバートグラスパーと並ぶ現代ジャズの象徴も言われている。それでは、実際のところ何がすごいのか。それは3枚組という超大作のこのアルバムを聴けばよくわかる。中でも、メロディーの美しさとフリージャズのようなスピリチュアルな要素が同居している点である。

メロディアスでありながらスピリチュアルという点では、まず宗教的な神々しい響き、後光がさしているかのような雰囲気が感じられる。別に特定の宗教を考慮しているわけではないだろうが、自然とそのような「磁場」が発生しているかのようだ。ある種の宗教性を秘めた音楽というのは、ジャズ界においてかなり珍しい存在である。

カマシワシントンの基本的な特徴として、多彩な音楽性が挙げられる。アルバムを聴いてみても、ジャズというよりはもはやジャンルを超越したもの。予備知識がなければ、どのジャンルか簡単にはわからない。かつてマイルスデイヴィスが「俺の音楽をジャズと呼ぶな」と語ったが、カマシの音楽も近い部分があるかもしれない。

そして、なんとなく小難しい音楽のような雰囲気がありながら、かなり聴きやすいというのも貴重だ。晩年のジョンコルトレーンは東洋哲学思想に感化されたフリージャズで一気に独自の世界に行ってしまったが、ついていけなくなるファンも相当多かった。カマシはその辺りを逆に意識しているのかどうか分からないが、とにかく十分にすばらしい旋律が聴ける。

このように、カマシワシントンという人はジャズ会に颯爽と現れた本当にとんでもない存在だ。一作一作の作品、ひとつひとつのライブが本当に楽しみな存在である。

Disc 1:THE PLAN
01. Change of the Guard
02. Askim03. Isabelle
04. Final Thought
05. The Next Step
06. The Rhythm Changes

Disc 2:THE GLORIOUS TALE
01. Miss Understanding
02. Leroy and Lanisha
03. Re Run
04. Seven Prayers
05. Henrietta Our Hero
06. The Magnificent 7

Disc 3:THE HISTORIC RECEPTION
01. Re Run Home
02. Cherokee
03. Clair de Lune
04. Malcolm’s Theme
05. The Message

メイン・パーソネル:
Kamasi Washington- Tenor Saxophone
Ryan Porter- Trombone
Igmar Thomas- Trumpet
Cameron Graves- Piano
Brandon Coleman- Keyboards
Miles Mosley- Acoustic Bass
Stephen Bruner- Electric Bass
Tony Austin- Drums
Ronald Bruner- Drums
Leon Mobley- Percussion

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