私的音楽アーカイブ118(ハービーハンコックほか)
1171.ハービーハンコック:ヘッドハンターズ
1172.マルウォルドロン:FREE AT LAST
1173.ジミーヒース:THE QUOTA
1174.チャールスミンガス:A MODERN JAZZ SYMPOSIUM OF MUSIC AND POETRY
1175.ジョンルイス:J.S.BACH/PRELUDES AND FUGUES
1176.サドジョーンズ:MAD SAD
1177.ブルーノワルター指揮ニューヨークフィル:マーラー「交響曲第1,2,4,5,9番ほか」
1178.キースリチャーズ:CROSSEYED HEART
1179.ローリンマゼール指揮ウィーンフィル:シベリウス「交響曲第1~7番」
1180.TRES:Viento Apassionado ~ 南米の熱き風~
⚫︎1171.所有するアルバムを少しずつ紹介する「私的音楽アーカイブ」を書き続けてきたが、118回目にしてようやく #ハービーハンコック が登場した。我ながら意外すぎる。真っ先に出てきてもおかしくない人だがなぜ?
振り返ると、ハービーの場合は有名作品が多すぎて、「他にも作品あるので、取り上げるのは後でいいや」と、自然に先送りしてきたためだろう。
しかし、ハービーはいうまでもなく、ジャズの歴史において彼よりも最重要な人物はいないと言っていいほどのミュージシャンだ。満を持して取り上げるのが、この「ヘッドハンターズ」である。
ハービーは長年マイルスデイヴィスのバンドに在籍していただけに、思考もマイルスとやはり似ている。ジャズという分野に狭くとどまらず、より広い視点で表現する音楽を志向するのだ。
今作はそんなハービーの「脱ジャズ」路線が鮮明に現れた点で重要である。マイルスと同様、「エレクトリック」化してロック方向の影響を受けた構成になっていて、新しい音楽の息吹を感じる。
ハービーがジャズの間口を広げたおかげで、ロバートクラスパーなど現代ジャズの音楽を聴き、このジャズ界隈で活動するようになった。そうした波及力、影響から考えて極めて価値のある作品になっている。
ベニー・モウピン (ss, ts)、 ポール・ジャクソン(b)、 ハーヴィー・メイスン(ds)、ビル・サマーズ(perc)
1973年サンフランシスコで録音