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私的音楽アーカイブ104(ロバートグラスパーほか)

1031.ギルエヴァンス:GIL EVANS&THE MONDAY NIGHT ORCHESTRA
1032.ファラオサンダース:KARMA
1033.セルジオメンデス&ブラジル’65:IN PERSON AT EL MATADOR
1034.ドンチェリー:HEAR & NOW
1035.トミーフラナガン:POSITIVE INTENSITY
1036.ロバートグラスパー:BLACK RADIO
1037.アートファーマー:THE SUMMER KNOWS
1038.サンラー:THE FUTURISTIC SOUNDS OF SUN RA
1039.デュークピアソン:SWEET HONEY BEE
1040.リッカルドシャイー:ブラームス交響曲全集

⚫︎1036.21世紀のジャズは、このアルバムから超速で進化を遂げたと言っても過言ではない。ロバートグラスパーの「ブラック・レディオ」。初めて聴いた時は衝撃を受けた。マイルスデイヴィスのエレクトリック化以来の革命と言っていいかもしれない。

僕はもともとジャズという概念を広く取る方で、世界のいろんなジャンルの音楽をも取り込んで自由にやる音楽がジャズだと考えてきた。ヒップホップやR&Bなどを自在に融合して自由に創造したブラックレディオはまさにそういう音楽だった。

フライングロータス、エスペランサスポルディング、カマシワシントン、ホセジェイムズなど現代ジャズで中心的な役割を果たすアーティストたちも、もとをたどるとグラスパーにあるといえる。ジャズ界で長らく酷評されてきたものの、今やこうした現代ジャズの嚆矢としての評価を受けるようになったウィントンマルサリスなど先達の努力や活動に日が当たるようになったことも特筆すべきだろう。

もう一つ、ロバートグラスパーをはじめとする日本における21世紀ジャズの拡張に大きな役割を果たしたのが、ジャズ評論家の柳樂光隆さんである。柳樂さんが「Jazz The New Chapter」でグラスパーとその周辺の音楽シーンを仔細に紹介したからこそ、いまの日本で現代ジャズが広まったのは間違いない。僕も柳樂さんの功績の恩恵を受けて現状をある程度知ることができている。ジャズミュージシャンだけでなく、ジャズ評論家の新たな世代を開拓したという意味でも意義は極めて大きい。

⚪︎ロバート・グラスパー・エクスペリメント
ロバート・グラスパー(piano)、ケーシー・ベンジャミン(sax)、デリック・ホッジ(bass)、クリス・デイヴ(drums)

⚪︎ゲスト
エリカ・バドゥ、ビラル、ルーペ・フィアスコ、レイラ・ハサウェイ、シャフィーク・フセイン(Sa-Ra)キング、レディシ、 クリセット・ミッシェル、モスデフ、ミュージック・ソウルチャイルド、ミシェル・ンデゲオチェロ、ストークリー・ウィリアムズ(Mint Condition)

曲目
01. リフト・オフ/マイク・チェックfeat. シャフィーク・フセイン
02. アフロ・ブルー feat. エリカ・バドゥ
03. チェリッシュ・ザ・デイ feat. レイラ・ハサウェイ
04. オールウェイズ・シャイン feat. ルーペ・フィアスコ&ビラル
05. ゴナ・ビー・オーライト(F.T.B.) feat. レディシ
06. ムーヴ・ラヴ feat. キング
07. アー・イエー feat. ミュージック・ソウルチャイルド&クリセット・ミッシェル
08. コンシークエンス・オブ・ジェラシー feat. ミシェル・ンデゲオチェロ
09. ホワイ・ドゥ・ウィー・トライ feat. ストークリー・ウィリアムズ
10. ブラック・レディオ feat. モスデフ
11. ヘルミオーネへの手紙 feat. ビラル
12. スメルズ・ライク・ティーン・スピリット
13. トゥワイス (日本盤ボーナストラック)

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