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【ダンジョン飯】生物研究としての食事

漫画「ダンジョン飯」では、タイトル通り食事の場面が多数登場します。

その食事を通して、登場人物は何かを学んだり、行動を変えたりします。

そのような食事には、いくつかの類似した役割があり、その役割別にまとめることで、ダンジョン飯が伝えたいことを俯瞰できると考えています。

本記事では、ダンジョン飯に登場する、生物研究としての食事について紹介したいと思います。


漫画「ダンジョン飯」の記述内容は、単行本全12巻85話までを含みますので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。


生物研究としての食事とは

ダンジョン飯では、基本的な流れとして、出会った魔物を討伐し、それを解体して調理することで、話のオチとなる食事に繋げます。

魔物の討伐の際には、魔物マニアであるライオスの知識を使い、うまく弱点を突いて倒すことが多いのですが、魔物の解体・調理の過程で、その魔物の弱点や特徴を発見することもあり、結果的に食事を通じて、生物研究をすることとなります。

その生物研究は、次に同類の魔物と出会った際に、弱点を突きやすくなったり、あるいは特徴を利用したりできるため、さらに魔物を討伐しやすくなります。

この魔物討伐→調理→生物研究→魔物討伐という、ある種の強化ループは、ダンジョン攻略においては、大きなアドバンテージになると思われます。

以下では、このような生物研究としての食事の具体例を紹介します。


生物研究としての食事の具体例

歩き茸

第1話にて、ライオスが魔物を食べて冒険を続けることを宣言した後、一番最初に出会った魔物が、歩き茸でした。

迷宮初心者は苦労していましたが、マルシルは杖の一撃で倒すことができていたので、倒しやすい魔物の一つだと思います。

歩き茸を倒すマルシル 第1巻19ページ

最序盤ということもあり、まだセンシがおらず、ライオスが歩き茸を解体していますが、その解体過程の中で、キノコ系の敵には袈裟斬りや胴斬りは効果が薄いということを発見します。

キノコ系の敵には袈裟斬りや胴斬りは効果が薄い 第1巻24ページ

歩き茸を倒すだけでは、上記のような発見はなかった可能性が高いので、これは解体して調理するという動機をもった、ライオス一行のアドバンテージだと考えられます。

繰り返しになりますが、このように生物研究としての食事には、解体して調理することを通して、魔物の強みや弱みを見つけ、次の戦闘を有利にする効果があります。


クラーケン

第16話では、ダンジョンの奥へと進むため、水上歩行にて湖を渡っていますが、そこでは様々な水棲の魔物が、ライオス一行を襲ってきました。

中でもクラーケンには苦戦し、マルシルの爆発魔法でも、センシの斧攻撃でも、クラーケンに有効な一撃を与えることができませんでした。

ただ、イカやタコの弱点に詳しいセンシは、クラーケンの目と目の間に槍を突き刺し、無事一撃でクラーケンを倒すことに成功しました。

目と目の間に槍を突き刺しクラーケンを倒すセンシ 第3巻45ページ

その後センシは、調理のためにクラーケンを捌きますが、その際にライオスとマルシルを呼び、目と目の間に急所があること、及び魔法で狙うなら頭の部分を狙うことといった、クラーケンの弱点を教えます。

ライオスとマルシルにクラーケンの弱点を教えるセンシ 第3巻47ページ

もしライオス一行が、再びクラーケンか同様の魔物に出会った場合、仮にセンシが戦闘に参加できなくても、その魔物を倒すことができるでしょう。

クラーケンに関しては、もう一つ学んだことがあって、それはクラーケンの中の寄生虫についてのことです。

ライオスは興味本位で、加熱していないクラーケンの身に噛みつきましたが、そこには寄生虫が居たようで、ライオスの胃に侵入し穴を開けてしまいました。

クラーケンの中にいた寄生虫に当たるライオス 第3巻56ページ

ただ不幸中の幸いで、その胃に穴が開いた経験が、後に大きな生物にライオス一行が飲まれたときに役立ちます。

寄生虫の経験を思い出すライオス 第12巻60ページ

それはライオス達が寄生虫になりきって、その生物の内臓に穴を開け、自分達の排泄を促す、パラサイトアタックを仕掛けたことです。

パラサイトアタックを仕掛けるライオス達 第12巻63ページ

結果的には、その攻撃単体だけでは、その生物からの脱出は叶いませんでしたが、魔物の調理と生物研究を通して、後に出会う魔物を攻略しやすくなった、一つの例だと言えます。


夢魔

第42話では、マルシルが悪夢に悩むことから、話が始まります。

ライオス達は過去の冒険で、同様の経験をしたことがあり、夢魔という魔物の仕業だと考えます。

その後なんやかんやあって、ライオスはマルシルを悪夢から救い出し、その悪夢を見せていた夢魔が、マルシルの枕に潜んでいたことを突き止めます。

マルシルの枕に潜んでいた夢魔を発見するライオス 第6巻197ページ

その夢魔を使って、センシは蒸し料理を作りますが、その蒸し工程が終わり蓋を開けてみると、夢魔が食べた夢が蜃気楼として現れました。

これは調理によって発見した、夢魔の面白い特性です。

夢魔は死んで貝が開くと過去に食べた夢を蜃気楼として出す 第6巻199ページ

実はその特性は、後に迷宮の主であるシスルと戦闘になったときに役立ちます。

ライオスとシスルとの戦闘は、説明すると結構複雑なので、どのように夢魔が役立ったかについては、ぜひ第11巻を読んで確かめてください。

夢魔での経験が役に立った場面 第11巻47ページ


まとめ

本記事では、ダンジョン飯に登場する、生物研究としての食事の具体例を紹介しました。

この漫画には他にも食事の役割が描かれており、今後記事にまとめる予定です。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。


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