【アニメ感想】PLUTO:人間とロボット・人工知能の境界線
普段は葬送のフリーレンに関する投稿をしていますが、今日は最近観たアニメ『PLUTO』の感想を投稿します。
アニメ未視聴の方は、前半の「作品紹介」にて、概要と作品の見どころについて紹介します。
アニメ視聴済みの方は、後半の「アニメ感想」にて、ネタバレを含めたアニメの感想を紹介します。
作品紹介
概要
アニメ『PLUTO』は、現在Netflixにて独占配信されている、原作漫画のある作品です。
原作漫画「PLUTO」は、「20世紀少年」などを手掛けた浦沢直樹さんが描いており、手塚治虫の「鉄腕アトム」の一編である「地上最大のロボット」を物語のモチーフとした、近未来サスペンスドラマです。
全8エピソードで各エピソード約60分程度の長さであり、完走するには約8時間必要になるので、まずは計画的な時間の確保をオススメします。
なぜ先に時間の話をしたかと言うと、私の場合ですが、ついつい先が気になりすぎて、4エピソード連続で観てしまい、別の予定に支障をきたしてしまったからです。
それほどサスペンスとしてのストーリー展開が良く出来ており、その面白さは自信をもって保証します。
ちなみに私は、原作漫画は未読、「地上最大のロボット」のあらすじは把握した状態で、アニメを観ました。
作品のあらすじ
ざっくりとしたあらすじとしては、主人公である刑事ロボット・ゲジヒトが、ある2つの事件を追っていく中で、1つの<憎しみの存在>が鍵になっていることに辿り着く、というものです。
世界設定が、人間とロボットが<共生>する時代の話で、特に原作漫画を未読の方は、登場人物が人間なのかロボットなのか混乱すると思います。
多少そこが曖昧でもストーリーは追えますが、この作品の大きなテーマとして、「人間とロボット・人工知能の境界線」が挙げられるので、個人的には都度公式サイトなどで、キャラクターの設定を確認することをオススメします。
作品の見どころ
上記でも少し触れましたが、個人的な作品の見どころは3つあります。
1つ目は、真犯人と黒幕は誰か、です。
ストーリーがサスペンスなので、当然っちゃあ当然ですが、幾つか発生する事件の真犯人は誰か、また更なる黒幕は存在するのか、それは人間か、またはロボットか、それとも別の存在か、などを考えるのが単純に楽しいです。
2つ目は、個性的なキャラクター、です。
人間にせよロボットにせよ、作品に登場するキャラクターは、様々な背景や個性を有しています。
どのキャラクターも人間味があり、感情移入しやすいと思いますので、それぞれの感情の流れを意識して視聴すると、深みのあるドラマになると思います。
3つ目は、人間とロボット・人工知能の境界線、です。
この作品には、非常に高度な人工知能を有するロボットが登場し、彼ら・彼女らは人間らしい振る舞いをしたり、人間と共生するよう行動したりします。
その一方で、人間の負の側面についても学習し、ロボットが人間に近づくことへの葛藤も、作品では描かれており、その境界線を超えることが善なのか悪なのかについて、深く考えさせられるところが魅力だと思います。
普段私は、葬送のフリーレンの記事を書いていて、フリーレンに出てくる人間・エルフ・魔族との境界線というテーマにも似ているため、この作品が好きな方は、PLUTOも楽しめるかなと、個人的には思っています。
以下は作品のネタバレを含むため、未視聴の方は読むのを止めてください。
アニメ感想(ネタバレあり)
正直複数のテーマが複雑に絡み合っている作品なので、すべてについて言及することは出来ません。
ただ個人的に刺さったテーマは2つあります。
1つ目は、愛と憎しみです。
主人公であるゲジュヒトやアトムも含め、世界最高水準の7人のロボットは、それぞれ愛するものを持っています。
ただその愛するものを破壊された時、憎しみという感情が生まれ、復讐へと向かってしまいます。
彼らの敵として登場するPLUTOというロボットも、かつては愛するものを持っていましたが、戦争や謀略によって、それが憎しみに変わってしまい、破壊兵器へと変貌してしまいます。
上記のように、たとえロボットであっても、愛するという感情を持ってしまった以上は、憎しみという感情を持つ可能性が生じるということです。
最終的に復活したアトムは、愛も憎しみも経験した他6人のロボットの記憶から、憎しみへと感情が傾くことはなかったですが、非常に危ういバランスの中で成立していると言えます。
この作品を観て、感情を持ったロボット・人工知能は、個人的には実際の人間社会への導入は、リスクの方が大きく無理だなと思いました。
2つ目は、科学者の欲望です。
天馬博士とアブラー博士が作り出した、60億の人格を持った高度な人工知能及びロボットは、そのデータの複雑性故に目覚めることはありませんでした。
ただ怒りや憎しみなどの「偏った感情」をトリガーとすることで、その複雑性が統一され、ロボットが目覚めるということが分かっています。
不可能なものは不可能だと受け入れていれば、問題なかったと思います。
ただ高確率で悪い影響があると分かっていても、可能性に賭けて試してみたくなる、どうしようもない科学者の欲望というものに、科学者という生き物の業を感じました。
まとめ
本記事では、最近観たアニメ『PLUTO』の作品紹介と、視聴した感想をまとめました。
長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。