【IWAI story # 6〜ゲストルーム編〜】饗宴の場を実現させる、本物にこだわった空間
さあ、階段を上り徐々に次の世界に。お祝いの宴を行うパーティー会場「ゲストルーム」です。
今回のストーリーもぜひお楽しみください。
お二人がお出迎えをするスタイル
IWAIでは「新郎新婦の入場です!」というゲストがお二人を待ち構えるような入場は行わず、挙式を終えたお二人が、先にパーティー会場へ向かい、ゲストをお出迎えするスタイルにしています。
また、メインの大扉は、一般的な結婚式会場で見る観音扉ではなく、ドアが格納されるスライドドアとなっているため、ドアを開けた際に、会場に大きな空間が確保でき、より一体感が生まれるような仕掛けとなっています。
どこまでも統一感のある空間
前回の記事でお伝えしたように、セレブレーションホールでは、終わりや始まりの感覚を曖昧にさせるため、その印象をもちやすい「角」を全て丸く処理をしたデザインとなっています。
このゲストルームはと言うと、どうしても柱が見えてしまうという制限を逆手に取り、円柱の丸み(カマボコ型)を活用しデザインの統一性を図っています。
例えばテーブルの脚やスピーカー、会場前方の窓にはめ込まれているガラスの表面にもカマボコ型の要素が取り入れられています。
また、この窓のガラスはの表面は、カマボコ型を連続させたような波形状となっており、モザイクのように向こう側がぼやけて見えながら、十分に採光を得られるものになっています。
これは、挙式で醸成された気持ちや空気感を持ってこの部屋に来た時に、住宅や電柱などの現実的な景色を見て気持ちが萎えてしまうことを避けながら、開放感を演出するためのデザインです。
披露宴、高砂のないパーティー
IWAIのパーティーは、お二人を披露する場ではなく、ゲストをおもてなしして、一緒のお祝い宴をする饗宴(きょうえん)の場としています。
そのため、高砂は設けておらす、お二人もゲストと同じテーブルで過ごしていただきます。
さらに全ての人にこの宴に集中してほしいため、気を散らさないようノイズのない空間を目指し、スクリーンやプロジェクターなどの機器は、使用時以外隠れるよう工夫をしています。
相手を知り、
ポテンシャルを引き出し、活かす
もともとこの建物は、
とても装飾的で厚化粧なものでした。
この建物と関わっていくのかを考えたときに、
お客様と私たちの関係性と同じではないか?
と私たちは考えました。
何かを付加したり、ただ新しく綺麗にしたりするのではなく、相手の良いところも悪いところもよく知り、受け入れる。そこからポテンシャルを引き出し、活かすことで新しい価値を生むということ。
スッピンの素顔をしっかりと捉えて、目的に合わせて、その人を活かすメイクをして輝かせるような。
その思考のもと、ゲストルームの床は、元々のコンクリートをそのまま使い、それを削り、磨いて、同じ素材でもまた違った、新しい表情の床となっています。そして、この建物の歴史でもある、傷や欠けもあえて一つの個性として残しています。
本物が醸す空気と質感
配置された家具はほとんどが、このゲストルーム専用に素材にもこだわってデザインしたオーダーメイドのものです。
テーブルにクロスがかけられていないのも珍しいかもしれません。
無垢の木材を使用しているため、クロスで隠すことはせず、そのまま見えて使えることが一番美しい状態であり、この木材本来の質感を味わっていただきたいと思っています。
最後に、もちろんこの会場にも、季節を感じられるIWAI花が活けております。
次回は、もうひとつのパーティー会場である「リビングルーム」です。
お楽しみに。
ゲストルームからお読みになった方は、ストーリーを感じるためにもぜひ合わせてこちらもご覧ください。