【IWAI story # 5〜セレブレーションホール編〜】再会、そして目の前の人に集中する場所
さあ、ついにもう片方の建物に入っていきます。
二人との再会を果たす、
「セレブレーションホール」。
今回のストーリーもぜひお楽しみください。
人生を表現した廊下(スロープ)
この先はIWAIの中でも特別な、
挙式を行う空間です。
その世界により入り込んでいただくために、扉を開けると、照明を落としたスロープ状の廊下がのびています。
この廊下は中央に向かって谷状のスロープとなっており、併せて照明も点々と灯すスポットにしています。
また、廊下の両端は鏡になっており、正面を向くとその廊下が前にも後ろにも、ずっと続くように見えるようになっています。これによって点々と灯された波打つ長い廊下が現れます。
明るいときもあれば暗いときもある。
山もあれば谷もある。
そんな人生の道のりをこの廊下では表現しています。
中に入ると広がる、ノイズレスで不思議な空間
IWAI概念と、人前式において本当に必要なものはなんだろう?
それを考える中で出した答えは、
ということでした。
そして、人に集中せざるを得ないデザインを考えた末に、辿り着いたのがこのセレブレーションホールです。
時間の流れ、上下右左、、
そういうことさえも歪んでしまう。
その中に身を置くことで感度が上がり、人に、自分に敏感になるような空間を目指しました。
二人を中心にゲストが向き合い座る
セレブレーションホールに入ったゲストは、
壁を向いて座るのではなく、
お互いに向き合う状態で座っていただきます。
その中で行うのが「はなむけの言葉」というコンテンツです。
司会者がお二人の人となりを話すのではなく、
そこにいるゲストから彼、彼女の人生が語られる。
ゲストセンタードであり、この場に呼んだゲストだからこそ、今まで見てきた彼・彼女のリアルな輪郭や姿を伝えられ、相手のゲストも本人たちも、その言葉から温度感を持ってそれらを捉えることができるのです。
この「はなむけの言葉」は、会場の両サイドにお二人がそれぞれ移動して、お互いが自分のゲストと向き合う状態で執り行われます。それは同時に、自分の目の前には相手のゲストがいるということ。
目の前にいる、相手の大切な人たちも、これからの自分の人生に関わる人たちであるということを、改めて捉えるためにも、この配置にしています。
「場」をつくる空間として何ができるか
とにかく人に集中するために
ノイズになるものは削除。
指向性を感じるものも極力減らしたかった。
照明や音響も、どこから照らしどこから聞こえるのかわかりにくくしており、「角」は終わりや始まりを想起させるため、この空間内はあらゆる角を取ったデザインとなっています。
ここまで徹底して作り込むことで、
中に入った人の時間の流れや捉え方を歪め、
あらゆる感覚が研ぎ澄まされる、
そんな非日常で不思議な体験を得られる
空間を作り出しました。
IWAIの森が画となる丸窓
この部屋つくるときに気をつけたことは
冷たい印象にならないこと。
そして、閉鎖的な印象にならないことでした。
モルタルのグレー単色だからこそ、
その色味や質感にこだわり
照明の色や照らし方と合わせて冷たさを緩和しています。
またこの空間の「抜け」の役割とシンボルとして設けたのが、IWAIの森を臨む丸窓です。
そこから見えるそのときだけの景色を一つの画と捉え、
シンボルとして扱い、空間に光と表情を与えています。
空間と人は相互に作用し合っている
この場所でのコンテンツは、
手紙を読む、ただそれだけです。
ただそれだけなのに、自然と涙が溢れてしまうのは、目の前の人と、その場に集中しているから。
もし仮に、この空間が顔が見合えず装飾的であったら、同じことをしても、受け取るものは全く違うものになっていると思います。
さあ、誓いが終わり、二人の人生を全員で知り、感じ合った後に向かうのは、パーティー会場となる「ゲストルーム」です。
お楽しみに。
セレブレーションホールからお読みになった方は
ストーリーを感じるためにも
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