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セルフビルドの仕事部屋が完成してた
昨年、ほぼ完成と思って書いた精神と時の部屋をセルフビルドした話でしたが、その後がまあまあ色々とあったので今回はその続きです。
小屋から部屋になるまでの道のりは結構あった
以前、記事を書いたときは写真のような状況。床、壁、天井、通風孔、窓と扉もできていて「小屋」としてはほぼ完成。土足利用なら床材も不要だし、倉庫として使うなら断熱材も不要かなという感じ(床下には断熱材を入れてるけど)。
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しかし土足について妻からは「不衛生」という理由で駄目出しされました。確かに外出先でトイレを利用することもあるわけで、その足で出入りをするのはよろしくありません。床が木材だと水洗いもできないし。
ということで、予定通り壁と天井にも断熱材を入れ、壁は石膏ボードを貼って漆喰仕上げにすることに。迷ったのは天井。漆喰を塗るための石膏ボードの取り付けが大変そう。天井用の専用部材の方が施工しやすいのではと考えましたが、2つの理由から採用には至りませんでした。
その理由とは「見栄えと工具」です。天井材はオフィスビルとか病院の天井みたいで個人の部屋っぽくありません。また施工にはエアタッカー(針を打ち込める工具)を使うようですが、今回しか使わなさそうな工具を購入するのは(中古だったとしても)抵抗感がありました。迷った末に天井も壁と同じく石膏ボードを貼って漆喰を塗ることに。
断熱材のグラスウールはチクチクしなかった
すべての壁と天井に断熱材をくまなく埋め込んで行きます。最初はぎゅっとコンパクトにまとまっている断熱材ですが…
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封を解くと嘘やろってぐらい広がります。
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グラスウールの断熱材は今回のように袋入りのものと、むき出しのものがあり、後者はガラス繊維が舞うらしいので完全防備での施工が必要。袋入りはその心配がないはずですが、雑誌記事に施工後一週間ぐらい肌がチクチクしたと書かれていて、最初はゴーグルと防塵マスク着用で臨みました。でも実際にはそんなことはなく、途中からは普通の服装に。
壁と天井にびっちりと断熱材を施工。隙間は気密テープで密閉。床下に使ったスタイロフォームという断熱材が余っていたので使用。スタイロフォームを使った部分は板張りにして後から壁に穴をあけたりできるような余地を残しておきます。
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天井の断熱材が重みで垂れ、石膏ボードが貼りにくそうだし、貼れたとしても負荷がかかってよくなさそうだったので板張りして抑えました。
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断熱材の次は石膏ボード
断熱材をきっちりと入れたら、次は石膏ボードで蓋をしていきます。衝撃に弱いのでホームセンターから自宅まで壊さずに運べるか不安でしたが、問題ありませんでした。
最後に床材(フローリングの板)を入れるための隙間をあけておかねばならないので、ボードの下に板を挟んで、少し浮かせた状態でネジ止めします。フローリングの床材は様々な厚みのものがあるため、ボードと床の隙間を決める必要がありました(目星を付けた商品の幅に合わせました)。難しかったのが垂直に貼ること。柱の精度が完璧ならそこに合わせてまっすぐ貼ればよいのですが、測ってみるとわずかな傾きがあったりします。
片側の壁は精度に問題がなく、気持ちよく取り付けて行けましたが、反対側は調整が必要でした。柱の精度が後工程に響くことを痛感。
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コンセント部分の穴あけも当然ながらセルフで(電気配線はグラスウールを埋め込む前に電気屋さんにやってもらいました)。実際には何度か間違えてしまい、石膏ボードを2枚ほど無駄にしてしまいました。
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石膏ボードは、壁には12.5mm、天井には9.5mmのものを使用。強度的には厚い方がよいけど、天井は一人作業がしんどかったので9.5mmにしました。12.5mmのボードは1枚14kg、9.5mmでも11kgあり、車への積み下ろしや貼り付け作業は結構な重労働なのです。
石膏ボードを貼らない部分は板張りに。野地板という安い材ですが、紙やすりで表面の粗さを少しならして塗装したら、よい見栄えになりました。板張り部分はどのような材を使うか考えていなかったので現場合わせで寸法を決めてカット。
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壁の合わせ目をパテ埋めして床板貼り
石膏ボードを貼り終えたら、ボードの隙間をパテ埋め。パテは足りなければ塗り足し、盛り過ぎたら削りという調整ができるので、作業しながらコツを掴んでいきました。教えてくれる人がいないので正解はわからないけど…
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パテ塗りができたら次は床板。ホームセンターでよさそうなフローリング板のB級品が安く売られていたので購入。B品だけど、裏側の加工に難のあるものが少し混じっているだけで表面は問題なし。お買い得でした。
板の貼り方は写真のように揃える方法もあるようで、これなら簡単と思ったんですが、やはり一般的な交互にずらした千鳥貼りが見た目がよいと感じたので最終的にはそちらにしたんですが…
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千鳥張りのために板を切っていたところ、ざっくりとやってしまいました… 左手で材を抑えて右手でのこぎりを使って切っていたので、刃の延長線上には置いていない左手を切ることは普通はありえないんですが、1日中作業していて夕方の疲れた頃だったので気が緩んでいたんでしょうね。人生初の縫い傷。まさか終盤の単純作業でこんな重症を負うとは思いませんでした。
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電気工事と床貼りが終わり、窓の作り直し
電気工事(配線は終わってましたが、結線はまだでした)は壁塗りの前か後かで悩みましたが、天井にはダクトレールを取り付ける予定だったので、先にやってもらった方がよいと判断。電気屋さんにお願いして結線してもらい、ようやく電気が使えるように。
床板は通常、釘で固定しますが、偶然にもまあまあきっちりと寸法通りに収まったし、再利用も考えて敷くだけにしました。
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壁塗りを始めたいところでしたが、以前作った窓のクオリティが低くて気になったので作り直し。窓枠はツーバイ材の端をホームセンターでカットしてもらって、接着剤で貼り合わせたもの。寸法を間違えたり、カットを失敗したりを繰り返しましたが、できあがったものは最高で満足。
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壁と天井に漆喰を塗って、ついに部屋が完成
ここまでのすべての作業はやり直すことができましたが、天井と壁に塗る漆喰だけは一発勝負。緊張感があります。塗り方についてはメーカーのサポート窓口に電話して助言をいただきました。
教えに従って天井から漆喰を塗ることに。壁まで養生しているのは、垂れ落ちた漆喰がくっつく恐れがあったため。壁に付着することはなかったけど、床にはかなり落ちました。
ちなみに漆喰の量は18kg x2では足りず、さらに5kgを買い足し。が、こちらは半分以上余ってます。きっちり使い切るなんてことは無理ですよね。ある程度の期間は保存がきくので保管してます。
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漆喰塗りに限らずですが、上向きの作業は首への負荷が高くて本当にきついです。他の作業はまたやってもよいと思えるけど、天井はご勘弁。
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壁を塗る前に巾木の取り付け。巾木は壁と床の隙間を埋めたり、壁の汚れを防いだりしてくれますが、最近は見栄え重視で巾木を使わないこともあるようです。ただ巾木はあった方がよいと考えて設置することに。
市販の巾木はいかにも既製品というものが多く、こだわったものは高いこともあり、自作しました。壁色に合わせて木材を白で塗装。気に入ってます。
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漆喰を塗り終えて、ついに完成!結局なんだかんだで1年かかっちゃいました。工数の記録だけ見ると3ヶ月もあればできそうなんだけど、知識のない素人が調べたり、悩んだりしながらやってると、まあそんなに素早くはできません。ただ今回の作業に関してはすべて経験として身に付いたので、次に同じことをやるときは、かなり手早くできる自信があります。
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すべてにこだわった部屋
部屋に使う部材などはすべてにおいてこだわりました。コンセントとスイッチはSO-STYLEというパナソニックのデザインもの。
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天井照明はエジソンバルブのダクトレール用のシーリングライト。WIFI接続でき、スマホで操作可能。光の強さや色も変えられます。
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キャンディハウスのスマートロック、セサミ5。安価だけど性能は申し分ありません。同社の様々な製品と連携でき、WIFIモジュールなどを使えば離れた場所からも解錠・施錠が可能。
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掃き出し窓の鍵は、クラシックなものに。
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その後、色々と持ち込んで、現在はこんな感じになってます。今後は収納などを作って、楽しみながら使い勝手を向上させていく予定。
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改めてビフォーの写真。作り始めるときに、何ヶ月かあとには完成してるんだから、いますぐそうなってくれないかなとか思ってました(笑)
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現在の部屋の使い方
前回の記事で部屋の使い方として次のような想定を書きました。
工具置場、書庫
デジタルやアナログのものづくり
撮影スペース
オフグリッドの実験
避難所
部屋にはすでに工具や書籍を持ち込み、撮影にも使っています。漆喰の白壁は撮影に最適。YouTubeの収録もこちらで行っています。部屋が小さく、ものが少ないため反響音が入ってしまい困りましたが、オーディオインターフェイスを変えて、マイク位置を調整したら気にならなくなりました。キャスター付きの作業テーブルは撮影やアナログ作業に活用。
WIFIは速いときは70Mbpsぐらいですが、平均すると20〜40Mbps程度。たまにほとんど繋がらなくなるのは困りものですが、少し待つと回復します。インターネット接続サービスはベストエフォートなので速さは変動するし、メッシュWIFIも自動調整されているみたい。母屋は問題ないけど、つながりの悪い離れのガレージなんで、しょうがないですね。
オフグリッドの実験はまだできていないです。前回の記事で書いたようにポータブル電源とソーラーパネルがあると色々できそうだけど、まだ入手してません。そのうち個人宅ぐらいの規模なら電力会社からの送電でなく、ソーラーパネルと蓄電池で電力を賄えるようになるかもですが、まだあまり現実感がないですね。
避難所想定の機能として、コンポストトイレは作る予定。ローリングストックとして水を少し置くようになっていて、こちらは徐々に食料とか充実させたいところ。
夏場の暑さに耐えられない期間は、今シーズンは6月後半〜9月末頃まででした。そもそもガレージに引かれている電力が少なめということもあり、エアコンは設置予定なし。ポータブル電源で小さなクーラーみたいなものを回したらどこまでいけるのかは来年は試してみたい。
そろそろ寒くなってきたけど断熱性能が高く、湿度が50%台に保たれるためか外気温の低さに比べて部屋の中は厳しい寒さを感じにくいです。冬場は少し暖めれば使えそうなので、電気式のヒーターでいけそう。
今年は3Dプリンターも入手してDIYの幅も広がっているので、ちょっとずつ手を加えて使い勝手を上げていきます。ある程度アップデートしたら、また記事にしようかな。
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