一気見のススメ#2「ロシアン・ドール」 ちゃんとループしない「ループもの」の不気味さ
インプットのための一気見(binge watching)のススメ #2
「ロシアン・ドール」~ちゃんとループしない「ループもの」の不気味さ
ふと思い立って、本日の業務BGMを「ゲーム・オブ・スローンズ」のサントラにしていたIwahamaです。うーん、まぁそこまで悪くはなかったかな。もう1回くらい試してみます。
さて、今回はオススメするのは「ロシアン・ドール:謎のタイムループ」(原題:RussianDoll)。2019年にシーズン1が公開されたばかりのNetflixオリジナルドラマなので、何度かサムネイルを見たことがあるというNetflixユーザーも多いんじゃないでしょうか。
そしてきっと、「タイプリープ(タイムループ)ものかぁ」と気になりつつも、見てないって人も多いかなと。私も以前はそうでした。
が、見て、よかった。オススメします。
超現実的なタイムループに入り込んだナディア。36歳の誕生会の夜を繰り返し体験する彼女は、何度も訪れる自らの死から逃れられなくなる。
(「Netflix」の作品紹介ページより引用)
■オススメポイント
言っちゃうと、アイデア勝ちです。
正直、設定には破綻もある。論理性を求める人なら、気になって仕方がないかもしれない。でも、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」だって破綻しているところあるけど、面白いじゃん。
ともあれ本作は、アイデアで「勝っている」なと。
ネタバレにならないよう気をつけて書くと、本作はいわゆる「ループもの」(主人公が、何度も同じ時間を繰り返すSF作品)に、2点、アイデアを盛り込んでいます。それぞれはこれまでにもあっただろう、アイデアなんですが、この2点の相乗効果で、独特の魅力が出ていると感じました。
1点めは、まぁネタバレかな……。ここでは触れませんので、ぜひ見てご確認を。3話目の最後にわかります。
もうひとつは、(これは1話目から描かれているのでネタバレに入らないと思い書いちゃいますが)「ループものなのに、実はちゃんとループしていない」、って点です。
そしてこれが、なんか怖い(いい意味で)。
たとえば……毎日同じ通勤電車で同じジジイを見ていたとするじゃないですか。ある日を境にそのジジイを見なくなったら、怖くないですか?
その怖さです(たぶん)。
最初は笑ってみていられるこのドラマ、だんだんと、不気味さを感じていくんですよ。「あれ、この果物、以前は……」みたいな瞬間が、ちらほらある。
使い古された手法でも、ちょっとしたアイデアをひとつふたつ足すだけで、違う魅力を出せるっていう見本、……てのが今回のオススメポイントです。
以下は蛇足。
1話目を見たときの感想は、「これ、面白いけどあまり人には勧めにくいかなぁ」。
ナターシャ・リオン(おバカ映画好きなら「アメリカン・パイ」のちょっと大人びた同級生ジェシカ役。ドラマ好きなら「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のニッキー役)演じる主人公のナディアなんですが、まぁ良くも悪くもクセが強い。退廃的な臭いの漂う現代的な女性なんだけど、ちょっと「感情移入」しにくいんじゃないかなぁと。
ループもの……主役が運命に振り回されるドラマで、その主役の感情を理解できないとまずいかも~と思ったのですが、杞憂でしたね。
2話3話と進めるうちに、まったく気にならなくなりました。そんなことより、面白い、て感じ。
しかも物語終盤には、ちょっと感情移入しちゃっている自分にも気づいたりして。
なので、もし合わないと思った人も1話で諦めず、せめてひとつめの仕掛けの分かる3話までは見てほしいなぁと思った次第。
制作:Netflix
出演:ナターシャ・リオン、チャーリー・バーネット、ユル・ヴァスケス
原作・制作:レスリー・ヘッドランド、ナターシャ・リオン、エイミー・ポーラー
※本記事トップの画像、作品概要、及び出演者情報等はNetflixの本作紹介ページより引用しています
次回は、ちょっと悩んだけどドストレートなコメディにします。こんなご時世だし。