雇用の流動化はなぜ必要か?イノベーションの課題から考える
4月からHRtech業界で働くようになったのですが、人材・採用・働き方については奥が深く、まだまだアウトプットが難しい…。ただ「雇用の流動化」はゼミで少し学んできたので、イノベーションの視点から考えてみます!
この記事のきっかけは、キャスター石倉さんのnoteです。
https://note.mu/hideakiishikura/n/n925531dd78b1
日本の課題の一つは「産業の新陳代謝が低いこと」
大学のとき「イノベーションの観点からみた、日本の企業の課題はなんですか?」
と聞いて、ゼミの教授清水先生に教えてもらったこと。
「産業の新陳代謝が低い」つまり、古い産業に固執して、新しい産業に資源配分ができていないという話です。
例えば、時価総額ランキングをとっても、アメリカでは軒並み新しい企業に入れ替わっているのに、日本では何年も代わり映えのない企業ばかり。
日本は新しい企業や産業が成長しにくい、イノベーションが起きにくい環境になっているといえます。
※イノベーション=経済的な価値を生み出す新しいモノゴト
ジョセフ・シュムペーター[1934]イノベーションの5つの分類
①新しい製品や品質、②新しい生産方法、③新しい市場、④新しい原材料の供給源、⑤新しい組織
産業全体の生産性を上げるための3つの手段
では、産業の新陳代謝が低いという課題を解決するためには、どんな手段があるのでしょうか?
①企業内での事業再編
②ベンチャー等の新規参入
③撤退による産業淘汰
直感的にも理解しやすい3つの手段。ただし、これらは「雇用の流動性の低さ」や「ガバナンスの仕方」、「規制」などによって制限されているのです。
今回着目したい「雇用の流動性」について考えると、事業再編も、新規参入も、撤退も、ヒトが動く必要がありますね。
ですが、日本では「会社は社員の雇用を守るべき」、「社員は終身雇用・年功序列で一社に勤め上げるべき」という慣習や規制によって、ヒトが動きにくい状況です…。
ただし、日本では終身雇用の慣習のもと、企業内部の「雇用の流動性」は発達していると言えます。
雇用の流動性が上がると、どうなるか?
一般的には、雇用の流動化は、社会全体において適材適所を促すため、イノベーションにいい影響があると考えられています。
その中でも特に、生産性の高い・成長産業へ、ヒトという重要な経営資源を流すことが産業全体の生産性を上げることにつながります。
また雇用の流動性によって、人がもつ知識の波及効果をもたらし、市場でイノベーションが起きやすくなることも明らかにされているそうです。シリコンバレーでのIT市場の成長も、人の知識の動きがキーになるんだとか。
成長産業へヒトを動かし、イノベーションを
イノベーションの観点からみて雇用の流動化の重要性を書いてみましたが、いかがでしたか?
前提としてイノベーションの概念が語りにくいので、自分としても難しく感じました…。
改めて時間を作って学び直したいなと思います。
我々は「雇用の流動化と最適配置」をミッションに掲げていると同時に、成長産業(競争・新規参入が激しい)のHRtech業界でイノベーションを起こすことを目標にしているので、その両方を大事に取り組んでいきたいと思います!
※参考文献
清水洋、2016、「ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション 半導体レーザーの技術進化の日米比較」
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