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中小企業診断士 独学ストレート合格の道しるべ① 1次試験編


1.はじめに

これから診断士試験を受けようとする皆様、こんにちは。本記事では、特に独学を志向する皆様に向け、おすすめの教材や勉強計画を記載している。「診断士を目指すぞ!」と意気込んだはよいものの、いざ最初のテキスト選定や勉強計画の立案で時間がかかってしまい、モチベーションが急降下・・・ということにもなりかねない。私も受験時はたくさんの合格者の先輩の記事に助けられたため、この記事も受験生の皆様の一助になることを願いたい。

2.1次試験の結果

まずは自己紹介がわりに私のR6年度の1次試験受験結果をお伝えする。

経済:88/100
会計:56/100
経営:86/100
運営:75/100
法務:48/100
情報:64/100
中小:62/100
合計:479/700(68.4%) 
結果:合格

3.使用した教材・模試

使用した教材・模試を個人的な感想を交えて記載する。

①公式過去問
◆使い方:10年分*を2~3周(*中小は直近2~3年分)
◆使った感想:これが正典であるという意識を持つべし。古い問題は法改正の影響で現在は成立しない問題があるので要注意。なお、TACの「スピード過去問」など過去問を解説しているテキストもあるが、ネットに解説が多く転がっており、個人的には購入不要と思う。

②「最速合格のためのスピードテキスト」 TAC出版
◆使い方:基礎知識のインプットとして使用。7科目分すべて購入した。
◆使った感想:基礎的な論点がすべて網羅されているので、インプット用のテキストはこれだけで問題ない。巻末の過去問の論点とテキストページのマッピングがされており、過去問演習の復習時に重宝していた。

③「TBC中小企業診断士試験シリーズ 特訓問題集」早稲田出版
◆使い方:中小企業経営・政策の問題集(白書と政策各1冊)のみ購入。
◆使った感想:中小は過去問演習を繰り返して定着させる戦略がとれなかったため、別途問題集を購入。特に白書は、自分で中小企業白書を読んでも論点の強弱がつけづらく難儀していたが、プロがピックアップした論点を把握できたのでとてもよかった。

④早稲田出版 YouTubeチャンネル
◆使い方:苦手科目の理解促進・知識補強
◆使った感想:特に苦手意識のある科目について、テキストの精読だけでは頭に入らない場合に、YouTubeで講義形式の動画を見ることで理解が促進された。早稲田出版のテキストが手元にある想定で講義が進められるが、個人的にはなくても問題なかった。

⑤ダンシ君のサブノート_中小企業診断士合格Channel
◆使い方:一問一答の聞き流しを通勤などの移動中にヘビロテ
◆使った感想:何回分再生回数に貢献したのだろうか、というほどに聞きまくった。スピテキでは扱われていない/大きくは取り上げられていない論点に関する問題もあり、知識の定着・確認と補強にはうってつけと感じる。

⑥過去問ドットコム
◆使い方:過去問演習で解けなかった問題の解説参照
◆使った感想:公式過去問を使っていると解説がないため、こちらのページで解説を検索していたが、非常に充実している。まれに公式解答と異なる解答・解説の趣旨となっていることがあるため注意が必要。

⑦LEC 1次ファイナル全国模試
◆費用:自宅での7科目一括受験で5,500円(税込)
◆受験した感想:LECに限らず、模試の受験はマストではないと感じる(1次試験は絶対評価なので周りの受験生の中での立ち位置の把握も不要なため)。過去問演習をやりすぎて刺激が欲しい人、会場での受験に不安を覚える人だけ受けるのが良いと思う。

4.勉強計画の例

中小企業診断士の勉強をスタートするところから、1次試験本番までの流れをお伝えする。

①直近の過去問を1年分解いてみる。
◆想定所要時間:10H
◆想定点数:20~40点(この時点で60点以上とれる科目があれば、自身の得意科目として認定!)
・ポイント1:まず「中小企業診断士の1次試験とは何たるか」を把握する。問題形式、難易度、自分はどの科目が好き/嫌いか(できる/できないか、ではない)を認識する。
・ポイント2:この年の過去問は、復習せずむしろ内容をすっかり忘れたほうが良い。最後の試験直前の模試として使いたいため。
・ポイント3:わからない問題ばかりで早く解き終わるだろうので、解答時間も意識しなくてよい。

②好きだと思った科目から、「テキストでさらっと1周インプット⇒過去問を解く⇒出題箇所をテキストで確認」のサイクルを7科目行う
◆想定所要時間:87H(インプット10H×7科目、過去問1~1.5H×7科目、テキスト確認1H×7科目)
◆想定点数:0~40点
・ポイント1:7科目をぶっ通しでインプットするのは骨が折れる上、モチベーション維持も難しい。そのため「好き、面白い」と思える科目から着手するべし。
・ポイント2:最初のインプットの理解度は30%~50%程度でOK。最初から100%の理解をしようと思うと負荷が高すぎる。

③「過去問を解く⇒解けなかった部分をテキスト精読で徹底理解」の学習サイクルを7科目×残り8年分繰り返す
◆想定所要時間:31H×8年分(過去問1~1.5H×7科目、テキスト3H×7科目)
◆想定点数:(8年分解き切るころには)40~60点
・ポイント:中小は過去問直近3年分に触れた後は問題集をヘビロテするのがよい。

④過去問演習2周目に突入する
◆想定所要時間:21H×9年分(過去問1H×7科目、テキスト2H×7科目)
◆想定点数:40~80点
・ポイント1:2周目のため、解答時間も早くなり点数も上がるはず。1H科目なら40分、1.5H科目なら1H程度で解き切れるくらいになっておきたい。
・ポイント2:2周目を解いても60点に満たない科目は正式に自身の苦手科目として認定。ただし苦手科目は2科目までとしておきたい。(私は法務と中小が苦手だった…)

⑤苦手科目を徹底補強する
◆想定所要時間:50H(インプット20H×2科目+演習5H×2科目)
◆想定点数:苦手科目で50~70点
・ポイント1:1次試験は足切りがあるという性質上、この時期に徹底的に苦手科目をつぶすフェーズを設けるのがよい。苦手意識があろうとも50点以上はとれるようにしておきたい。
・ポイント2:苦手科目以外の勉強も完全にストップせず、一問一答などで知識の確認は継続するのがよい。

⑥①で解いた直近の過去問を使って、本試験前最後の力試し
◆想定所要時間:10H
◆想定点数:60~80点
・ポイント:本番を想定したタイムスケジュールで、試験当日1~2週間前の土日に実施するのがおすすめ。時間内にしっかり解き切れるよう、本番のタイムマネジメントも予行演習しておくのがよい。

⑦直前1週間はテキスト流し読みや一問一答で知識の最終チェック
◆想定所要時間:10H
・ポイント:(月並みな助言だが…)試験直前に新しいことを始めるのはNG。知識の引き出しを増やすのではなく、すでにある引き出しから正確かつ迅速に知識を取り出せるようにしておくべし。

4-1.補足

  • 過去問演習の結果はExcelなどで記録しておくことをおすすめする。得意/苦手科目の可視化で現状把握ができ、モチベーション維持にも効果的。

  • 上記の勉強法は合計想定所要時間は600H程度となっている。これは平日2時間、休日5時間とれる人でも2月中に開始すれば十分このサイクルで実行可能な計画となっている。

  • 上記の想定時間は机に向かって勉強する時間を記載している。一問一答や講義動画視聴は移動中・作業中に適宜追加で行うことをおすすめする。

5.おわりに

本記事では、私の経験とリサーチに基づいておすすめの教材・勉強法を紹介したが、あくまで一例であり、全ての人に当てはまるわけではないことは了承いただきたい。受験生が10人いれば10通りの勉強法がある。それぞれがモチベーション高く継続できるような勉強法を見つけられることを願っている。

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