イベントラッシュ期間を振り返り・・自分たちの本質に立ち返る、の巻。
こんにちはいわあゆ(@iwa_ayu)です。
豚汁エバンジェリストを名乗りTONJIRU STANDという屋号を掲げて世界に向けて発信しています。本noteはその世界進出に向けプロジェクトメンバーとともに歩む変遷レポートとなります。
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コミュニティから誕生した私たちは「複業スタートアップ」を掲げていました。
私はチーム召喚の冒頭に、「自分が楽しいと思える範囲でやってほしい」というメッセージを伝えていました。
本業を大事にしながら、個々人がこの場を「チャレンジ」のためのステージとして、自分が「やりたいこと」に取り組み、熱量高く発信していく。
その結果として、TONJIRUSTANDまでもが活況していく、そんなシナリオをイメージしていたのです。
各々が「これが必要だ」と思うことは、ある意味見切り発車でスタートしたところもあります。その結果として「クリエイティブ」や「メッセージの発信」を集中的に行っていました。
そんな矢先、「仮想店舗で情報発信ばかりしていても価値は伝わらない」という結論に至り、KPI定義アクションの1つである、イベント実施を9月下旬~10月いっぱいにかけて集中的に行ってきました。
主体でイベントを行うほどの体力がない自分たちは、ありがたくコラボのお誘いを受け、乗っかる形で検証実験を行うことになりました。
それぞれ実施条件が異なるため、あくまでテストケースと捉え、利益の追求などは二の次で検証を行ったのです。
・オリタ食堂(朝)7:30〜9:00 @渋谷 ※3回実施
・スナックニューショーイン(夜)19:30〜23:00 @松陰神社前
・BarFlat(夜)20:00〜23:00 @学芸大学
どこのお店も超絶ユニークで。
コラボさせていただけるなんてありがたい、、ご縁に感謝しかないようなパートナーでした。立地的にも魅力的だし、人を集めるには、申し分ないような場所でした。
ケータリングしかしたことがなかった自分が、実店舗にて豚汁をふるまうとした場合、そもそもどういう人たちが集うのか、その場に集まる人たちはどんな価値を感じてもらえるのか・・・
残念ながら、この実験そのものは成功とは言えませんでした。
「豚汁を仕込み、提供する」ことでいっぱいいっぱいになってしまい、厳密な検証などは到底できなかったという反省が大きく残りました。
SNSで「イベントをやるよ!」と大々的にうたうも、当日は、私の知り合いがちらほらで、見込みの半分もいかず、赤字という結末。
コラボ側のオーナーが、しょうがないなぁとばかり知人に呼びかけてくださり、プラス数名が集客できた、、という状況。
集客のためのきちんとした設計や、各メンバーが何人ずつ呼ぼう!というような目標などもろくに定められなかったことなど、「やりきれなかったこと」はたくさんあります。
正直、自分は無我夢中で、俯瞰で状況を読めませんでした。
予測不可能とはいえ、一定数の豚汁を仕込むのに対して、手持ちの小さな鍋では1回で仕込める量はたったの15食。
一杯に対するこだわり、個性を極めるために、改良を重ねた結果、かかる時間は3~4時間。しかも寝かせるという手間もあるので、前々日から仕込まなければならない。
当初立ち上げた時と比べ、かかるコストも労力も3倍近くなっていました。
これを、日中はがっつりサラリーマンやりながら、残業を終えて、会社帰りに買い出しし、2キロの肉、1キロの大根その他へビーな荷物を背負って、帰宅後に睡眠時間を削りながら1人ひたすら仕込む・・。
ある意味、孤独と疲労の闘いでした。
それでも、来てくれるかもしれないお客さんに対して、過去最高の豚汁を届けたい。決して手は抜けなかった。
絶対美味しいって感動してもらうんだ!そしてファンになってもらうんだ!
その一心で仕込んでいました。
来てくれた人には本当に感謝で、「何これ、美味しい〜!」という感動の声を聞くたびに、あぁ〜頑張って作ってよかった、、、としみじみ思い、もっとこの感動をより多くの人に届けなければ、という使命感に狩られます。
▼オリタ食堂最後の朝
朝の営業の時は、仕込みが終わるのが3時半、家を出るのが6時。
当然、ほとんど寝れていません(笑)
そして、現地では、予定提供数を超えられず、オリタ氏に残りを託してまた会社に向かいサラリーマンに戻る・・。
ごくごく短期間にせよ、今振り返っても、身を削っていたなぁと思うし、これでは到底続けられない状況でした。
仮想店舗を飛び出して、「とりあえずリアルでやってみよう」という点においては、十分だったように思います。
と、まぁ燦々たる結果で痛々しいかもしれませんが、それでも、チャレンジしたことで分かったことや学びがあります。
食べてくださった方々に、アンケートのようなものは行わなかったものの、体験者の感動の熱量は非常に高かったのが印象的でした。
「これ、絶対イケるから、マジでお店出した方がいいよ」
「なんじゃこりゃ!豚汁の想像を超えてる、本当にヤバい」
事前の情報だけでは、その人の中にイメージとして浮かぶ豚汁の期待値を超えられない。
一方、食べた人は、今までにない豚汁に驚き、”これなら売れる!”という反応を示してもらえるというギャップがあります。
怒涛のイベントラッシュ期間を終えた、ある日のこと。
月次のTONJIRUSTAND定例会議で、これまでのイベントの振り返りを行っていました。
赤字続きのイベントで、私はすごく疲弊していたし、属人的かつ労働集約型な形でしかないこの形は本質的ではないな、と感じていました。
そんな中、レンジャーのピンクから「これが、あなたがやりたかったことですか?」と鋭く突き刺す質問が投げかけられた時、私の頭の中では、1つの「問い」が浮かんでいました。
この言葉は、私が、TONJIRUSTANDのあるべき姿、チームとしての未来について思い悩む日々を過ごす中で導いたVISIONであり、メッセージです。
以前Minimalの山下さんのお話を伺った時、いかにペルソナが大事かを学びました。
それもそうだ、という話になり、1つ前の定例会議では「こんな人に食べにきてほしい」というペルソナ像を皆で話し合い、一人の男性像が設定されていました。
一方、私たちの告知・・、
「きちんとそのペルソナを意識したコミュニケーションが出来ていたか?」
この問いが脳内でぐるぐる回っていました。
「美味しい豚汁食べにきてください」としかコミュニケーションしていない。
「ホッとする体験を求めている人」、「ペルソナ像」に呼びかけていなかったのです。
当然巷には「ホッとしたくなったら豚汁食べにおいでよ」と言っているお店はありません。「豚汁そのもの」で勝負しているわけですし、一般のお客さんも豚汁にそんな価値を求めちゃいないわけです。
コンビニでも買える、吉野家でも圧倒的に旨い豚汁を、わざわざ電車を乗り継いで食べにくるだけのバリューは?
やはり自分たちの差別化ポイントは「プロダクト」と掛け算した「場」にあるのでは?イベントの振り返りを通じて、こんな気づきがあったのでした。
一旦この気づきに着地しつつも、「じゃぁ自分たちは何がやりたいの?」という点についてはまだまだ検討しきれていないし、言語化もできていません。
やはり見切り発車じゃなく、自分たちのコアバリュー・軸をきちんと定めていかなければならないのだ、という本質に立ち返ったのでした。。。
制限時間は刻々と迫っています。
なかなか痺れる複業スタートアップ「TONJIRUSTAND」
奮闘記はもうしばらく、続きます。