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高校中退した私がアイビーリーグに奨学金付きで編入できた話

需要があるかどうかはわかりませんが、編入前の私であれば読みたかった内容なので、きっと誰かが読みたいだろうという前提のもと書かせていただきます。

自分史をベースに書かせてもらうので、長々とした文章になってしまうかもしれませんが、興味のある方は最後まで読んでいただけたら幸いです。



高校入学

私はある国公立の高校に入学し、ラグビー部に所属しました。しかし、そのラグビー部は弱小で、試合ができるほど部員数もおらず、他校との合同練習が主な活動でした。練習内容は筋トレと走り込みが中心で、部活後は仲間とラーメンを食べたり、近くのゲームセンターで遊んだりと、ごく普通の学生生活を送っていました。

ただ、一つだけ普通ではない点がありました。それは、全く勉強をしなかったことです。中間テストや期末テストも、テスト開始の1時間前から勉強を始めるという怠惰ぶりで、その結果、進級はギリギリで何とか2年生になりました。(進級が危うかったため、高1のテストを再度受けさせられたりもしました)2年生になってもその生活は変わらず、怠惰な日々を過ごしていました。



ヒッチハイクの旅と転機

そんな私に転機が訪れたのは、高2の冬休みのことでした。友人とコンビニのイートインスペースで食事をしながら、冬休みの遊びの計画を立てていたとき、テーブル横の本棚に立てかけられていたヒッチハイクに関する本が目に留まりました。「ヒッチハイクならお金をかけずに旅行ができる。せっかくの冬休みを無駄にしないで済む」と思い立ち、友人と一緒に所持金1万円で約2週間かけて東京から博多まで行き、ラーメンを食べる計画を立てました。

思い立ったが吉日、翌日には博多行きの荷造りを済ませ、ヒッチハイクのスタート地点として有名な用賀に向かいました。その後の詳細は割愛しますが、多くの方々の助けを借りながら、無事に博多に到着し、有名なラーメン店「一双」で念願のラーメンを食べ、目的を達成しました。

この経験は、私の人生において非常に大きなターニングポイントとなりました。引きこもりがちだった私でも、思い切って挑戦してみれば案外うまくいくものだという体験は、今まで無理だと思っていたことに挑戦する価値があること、そしてたとえ失敗しても得るものはたくさんあることを教えてくれました。

当時、成績は学年最下位で、勉強を諦めかけていた私でしたが、「本気で頑張れば東大に行けるのではないか?仮に行けなくても、きっと得るものはたくさんあるだろう」と考え、東大を目指すことにしました。東大を選んだ理由は単純で、その当時の私は東大くらいしか大学を知らなかったからです笑。

そこからは、東大に合格するための計画を立て、試行錯誤を重ねました。その結果たどり着いた結論は、まず高校を辞めなければならないということでした。私の高校は理系のカリキュラムしかなく、東大受験で文系を選択した私は、高校で授業を受けている時間はないと判断したのです。その決断をした1週間後、退学届を提出し、私の東大受験への挑戦が始まりました。


ヒッチハイクで送ってくれた人との写真
博多に到着した時の写真


高校中退

この時期の私は、まさに文字通り地獄のような生活を送っていました。まずは予備校や個別指導の塾など、体験入学という形でいろいろと回ってみました。しかし、当時の私には予備校の授業が全く理解できず、個別指導の塾は費用が高すぎるという問題がありました。そこで、独学で東大受験に挑むことを決意しました。

独学を始めて気づいたのは、これまで勉強してこなかった人間は、参考書を見ても何が重要なのか全くわからないということでした。参考書を一ページずつ読んでいても埒が明かないため、まずは参考書を一通り読み切ることに決めました。質よりも量を意識したこの勉強法は、当時の私には合っていたのかもしれません。成績が劇的に上がることはなかったものの、受験に対する理解度が増し、勉強へのモチベーションも高まりました。そこからは同じことの繰り返しでした。

参考書を何度も繰り返すうちに、重要なポイントもより鮮明に理解できるようになり、成績も順調に上がっていきました。その後、勉強法を大きく変えることなく、センター試験や二次試験に臨みました。正直なところ、どの試験も手応えは微妙で、感覚的には合格の確率は30%くらいかなという感じでした。

そして合格発表の日が来ます。



東大受験失敗

結果から言えば、私は東大に落ちました。点数の詳細を述べるのは恥ずかしいので控えますが、B判定での不合格でした。東大受験を経験した方ならお分かりかと思いますが、この結果は「まあ、落ちてしまったんだね」という程度のものです。惜しくもなく、かといって惨敗でもない微妙な点数でした。

結果を見たとき、私は「一人でよく健闘したな」という気持ちと、「もう少し頑張れたのではないか」という思いが交錯し、複雑な感情に包まれました。しかし、もう一年頑張れば合格できるのではないかと考えると、気持ちは前向きになりました。今度こそ予備校に通い、適切な指導を受ければ必ず合格できるという確信を持ち、浪人することを決意しました。



怠惰な日々再来と海外留学


ところが、ここから怒涛の勉強が始まると思いきや、残念なことに全く勉強しませんでした。高校時代と同じような怠惰な生活が始まったのです。おそらく心の中で慢心していたのだと思います。(実際には慢心できるような結果ではなかったのですが)

一度成績が伸びた経験から、「3ヶ月くらい勉強しなくても何とかなるだろう」と考えてしまい、予備校をサボっては本屋で気になる小説や漫画を買い漁り、読み耽るという救いようのない生活を送っていました。そして気づけば受験まで残り5ヶ月。このときようやく「もう東大受験には間に合わない」と悟りました。

それでも、今までの努力を無駄にしたくないと考え、何とか挽回できる方法はないかと模索しました。その結果、見つけたのが海外大学への編入でした。これであれば浪人せずにアイビーリーグに編入することができるうえ、英語力も身につきます。さらに、ヒッチハイクのときに感じた価値観の変化を再び体験できるかもしれないと思い、留学の準備を始めました。

一応、日本の大学受験も受けました。東大は再び不合格でしたが、いくつかの私立大学から合格をもらい、私の受験生活は幕を閉じました。

オチが締まらずすみません笑



コミカレ入学

私はカリフォルニア州のコミュニティカレッジにビジネス専攻として入学しました。ビジネスを選んだ理由は特になく、正直なところ、アメリカに来た目的は勉強よりもさまざまな経験を積むことや、アメリカの大学に合格することでした。そのため、専攻について深く考えることはありませんでした。(この安易な決断が、後に大幅な履修変更をもたらすことになるのですが

海外で暮らすのは初めてだったため、期待と不安で胸がいっぱいでした。最初の宿泊先としてホームステイを選んだのですが、その生活は最悪でした。あまり人を悪く言いたくはないので詳細は控えますが、YouTubeによくある「最悪だったホームステイ体験記」を凝縮したような場所で、わずか2週間でシェアハウスに引っ越すことになりました。

シェアハウスに移ってからは、非常に充実した日々が始まりました。これまで出会ったことのない多国籍の人々と交流し、友人を作り、コロナで機能していなかった日本人学生会を友人と再興したり、インターンシップに参加したりと、日本の大学に通っていたら体験できなかったであろう意識の高い経験を積むことができました。

ここでの経験が、私の視野を大きく広げてくれました。



専攻変更と転校

ここで話は専攻の内容に移ります。もともとビジネス専攻だった私ですが、留学2年目の中頃にコンピュータサイエンス(CS)専攻に変更しました。留学を通じて、海外で就職するのも一つの選択肢だと感じるようになり、アメリカで職を得やすいCSに専攻を変えたほうが良いと考えたのです。また、ビジネスや経済、会計の授業を受けるうちに、「アメリカの大学に来てまでビジネスを専攻する必要があるのだろうか」と思ったのも本音です。(あくまで私の価値観ですが)

CS専攻に変更してからは、すべての履修スケジュールが一変しました。アメリカの大学へ編入する上で、どの授業を履修するかは非常に重要です。Calculus 3、線形代数、微分方程式、データ構造とアルゴリズム、アセンブリ言語など、出願する大学の要件によって変わりますが、これらの授業は必須となります。

これらの授業の一部は在籍していたコミュニティカレッジで履修していましたが、他にも履修しなければならない科目があり、志望校が必須としている授業がそのコミュニティカレッジでは開講されていないことが判明しました。そのため、その授業が開講されている同じカリフォルニア州内の別のコミュニティカレッジに転校することにしました。

新しい学校では、難易度の高い授業を同時並行で受けていたため、自分のキャパシティ的に勉強に集中せざるを得ませんでした。そして、ここから編入出願の準備が始まります。

日本人学生会のメンバーとの写真


米国大学受験準備

米国大学編入には提出しないといけない書類が複数あります。

・Common Application
・大学のエッセイ
・推薦状(基本2通以上)
・大学の成績
・高校の成績と卒業証書(高卒認定も可)
・英語試験(TOEFLやIELTS等)のスコア
・Mid-term Report
・College Report
・CSS Profile(奨学金の申請をする場合)
___________________________________________________
・UC Application(カリフォルニア大学を受験する場合)
・大学独自のApplication(一部の大学はCommon Appではなく、大学専用のApplicationの提出が必要)

アメリカでの大学受験を経験したことがない方にとっては、これらの書類を見ても「何のことやら?」と思われるかもしれません。実際、私自身も最初はそうでした(笑)。しかし、これらの書類は一つでも欠けていると出願資格すら得られないため、提出は必須です。

おそらく、多くの人が苦労するのはエッセイ、推薦状、そして英語試験のスコアでしょう。エッセイは大学によりますが、一校あたり平均で1,500ワードの文章が求められます。これを複数の大学に出願するとなると、相当な時間が取られます。それと同時進行で、推薦状の準備のために教授とのミーティングや、英語試験のスコアメイク、さらに学校の授業もこなさなければならず、やることが多すぎて目が回りそうになります。

私の場合、これらのタスクをある程度計画的に進めていたので、授業に集中することができました。ただ、一つネックだったのは高校の成績の提出でした。私の高校でのGPAは1.5を切っていたため、この成績のせいで足切りされるのではないかとビクビクしていました。しかし、結果的には杞憂に終わりました。(もしかしたら少しは影響があったかもしれませんが)

以下が出願した大学(12校)です。

・Columbia University
・University of Pennsylvania
・Yale University
・Cornell University
・Johns Hopkins University
・New York University
・Vanderbilt University
・Georgetown University
・Georgia Institute of Technology
・UC Berkeley
・UCLA
・UC San Diego
・UC Irvine

複数の大学に出願し、いくつかの合格通知を受け取りました。その中で、第1志望であったコロンビア大学から年間450万円の奨学金をいただけることになり、進学を決意しました。私の合格校については、こちらからご覧いただけます。

これが私の米国大学受験への長い道のりでした。拙い文章で伝わりにくかったかもしれませんが、米国大学受験ではGPAやエッセイが大切なのは当然として、情報と準備が結果を大きく左右することを痛感しました。しかし、多くの日本人学生は、他国の学生に比べてこの二つで遅れを取っていると感じます。私の東大受験のときも感じたことですが、情報が不足していると計画に穴が生じ、次の一手を踏み出すのが大幅に遅れてしまいます。計画と準備が多く求められる米国大学受験において、それは致命的です。

情報収集と計画をしっかり行えば、自然とやるべきことが見えてきて、適切な行動が取れるはずです。ですから、海外大学への編入を目指す人はこれらを忘れず、着実に一歩ずつ進んでいきましょう!そうすれば、スタンフォードやイェール大学だって夢ではありません。



コロンビア大学編入後

正直なところ、入学してまだ1ヶ月ほどしか経っていないため、書けることは少ないのですが、コミュニティカレッジの時と比べてとても楽しいです。これまでは受験のための勉強でしたが、今は学ぶための勉強になっており、知識の吸収も速くなっていると感じます。クラスによっては100人を超えるものもあれば、8人ほどの少人数のものもあり、多種多様な授業形式に日々刺激を受けています。


コロンビア大学のオリエンテーションの時の写真


終わりに

最後に、これまでの道のりを振り返って感じることがあります。

数々の失敗や挫折がありました。高校時代の怠惰な生活、東大受験での不合格、浪人時代に再び勉強から逃げてしまったこと。しかし、そのたびに新たな挑戦を見つけ、自分自身と向き合ってきました。

もし、あのときヒッチハイクの旅に出ていなかったら、今の自分はいなかったかもしれません。あの旅で感じた「挑戦することの大切さ」や「一歩踏み出す勇気」は、私の人生の指針となりました。失敗を恐れずに行動することで、新たな道が開けることを身をもって知ったのです。

これからも、未知の領域に飛び込んでいきたいと思います。困難や壁にぶつかることもあるでしょう。しかし、そのたびに過去の自分を思い出し、一歩ずつ前進していきます。自分の経験を通じて、同じように悩みや迷いを抱える人たちに勇気を与えられたら嬉しいです。Ivy+での活動もその一環です。

月並みな言葉ですが、未来はまだ未知数です。しかし、一歩踏み出す勇気さえあれば、どんな道でも切り拓いていけると本気で信じています。これからも自分自身を磨き、多くの人々に貢献できるよう努めていきます。



今後は、海外大学編入の情報をメインで発信しつつ、コロンビア大学でのキャンパスライフの様子も不定期でお届けしていきたいと思います。

もし何か質問などがありましたら、コメント欄やメール(contact@ivyplusjpn.com)でお気軽にお尋ねください。よろしくお願いいたします!


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