インデフレーターなしでも
PTAを施行する場合、nominal圧よりかなり低い圧でも、バルーンが良好に拡張することがあるが、このことは非常にしばしば経験する。
とすれば、インデフレーターなしでも、手技を完遂できる場合が相当数存在することになる。用手法によるバルーン加圧でnominal圧に達することはまずないとされているので、過剰加圧の危険もない。
ただし、病変形態や狭窄度から、低圧で拡張可能か否かを判定することはできない。
PTAを繰り返している症例で、前回のIVR報告書に用手拡張との記載があれば、同一部位の再狭窄については今回も用手法で拡張できる可能性が高い。
用手法が無効なためにインデフレーターでの拡張に切り替えるのは全く煩雑ではないので、医療経済的な観点からも、まず用手法での拡張を試みるのは妥当と考えている。
いずれにしても、ルーチンで全症例にインデフレーターを使用するのは良くないと思う。
ただし、用手法に起因する手指の怪我には要注意。
また、バルーンのデフレートが甘くなることがあるので、注意が必要である。