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拍動が良く触れるのに、穿刺に失敗する理由
動脈穿刺の際、拍動が良く触れるのに、穿刺に失敗することがある。
拍動から想定される動脈走行軸に沿って穿刺針を刺入しているのに、動脈にヒットしない場合である。
その理由の一つとして、穿刺による圧で動脈位置が偏位することが挙げられる。特に高齢者の場合、皮下組織の弾性が低下し、軽度の圧迫にて動脈が逃げやすくなる。
対策としては、穿刺を素早く行うと良い。穿刺針の速度が遅いほど、動脈が逃げやすくなるからである。これは、ドレナージ時の穿刺において、対象に向かってゆっくり穿刺すると、対象が逃げやすくなることがあるのと同様である。
次に、対象血管が細い場合や、対象血管に内腔狭窄が存在する場合にも、穿刺不成功の可能性が高まる。これらが原因と思われる場合には、画像ガイドを用いた穿刺を検討すべきである。(具体的には、USガイド)
さらに、触覚にて予想される血管走行と実際の血管走行との間に齟齬がある場合も少なからずある。この場合にも、画像ガイドで穿刺するとよい。
尚、穿刺は血管走行の軸に対して斜位で刺入されるため、皮膚刺入口と血管壁刺入口との間にずれが当然生じることに注意すべきである。