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高齢者の経皮的ドレナージ

高齢者の経皮的ドレナージにおける注意点を一つ。


上腹部の臓器に経皮的にドレナージ等の穿刺手技を行う場合、穿刺経路が胸腔を通過してしまうことがある。その場合には、気胸が発生する可能性が高まる。

穿刺経路が胸腔を通過する頻度が高いのは、肝右葉(特に、前区域)や横隔膜下腔の穿刺である。

なお、肋間からの穿刺でなくても、経胸腔的穿刺となる場合があるので、注意が必要である。

横隔膜が挙上している場合には、そうでない場合と比較して、臓器が胸腔側に偏位しているために、穿刺経路に胸腔が含まれる可能性が高まる。

そして、高齢者は横隔膜が挙上している場合が多いため、上腹部の穿刺により、胸腔が穿刺される可能性が高まるわけである。

持続脱気(胸腔持続吸引)が必要な程度の気胸が生じた場合には胸腔カテーテルを留置するが、患者さんのQOLの棄損が著しいものとなる。

穿刺の際には、透視下での深吸気により胸腔の存在範囲を推定してから穿刺をするが、気胸を完全にふせぐことは困難である。  また、事前のCTを見ても、穿刺予定経路に胸腔が含まれていない、と断言することは困難である。

側胸部穿刺を極力避けたり、なるべく尾側から穿刺するなどの工夫が必要である。

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