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一周回って見えてきたDXシリーズ(2)DX推進の現状は?
こんにちは!
ITサービスマネジメント領域を専門にコンサルティングを行っている株式会社IT VALUE EXPERTS(IVE)です。
(当社についての詳細はこちらの記事をご覧ください。)
前回の記事から、「一周回って見えてきたDXシリーズ」として、デジタルトランスフォーメーション(DX)をトピックとして取り上げ、(1)デジタルトランスフォーメーションの定義、(2)デジタルトランスフォーメーションの現状、(3)デジタルトランスフォーメーション推進のポイントを解説しています。
今回は2回目として、日本におけるデジタルトランスフォーメーションの現状について見ていきたいと思います。
DX推進の現状と課題
DX推進が加速している、とお話してきましたが、実際にうまくいっているのでしょうか?課題はないのでしょうか?
キーワード「DX元年」から見え隠れする「うまくいかないDX推進の現状」
日本のDX推進の経緯を知るために、Webサイトの記事タイトルで「DX元年」を含むものを検索し、その結果を抜粋してみました。
• 2019年が日本のDX元年
• 2020年は日本企業の「DX元年」
• 2021年はDX元年、私たちが考えるDXの本質
• 2021年こそ「DX元年」
• 2021年、ついに本格的な「DX元年」が到来する
各タイトルからは、結局DXがうまくいっていない、DX推進が始まってすらいないような印象を受けます。
さらに、次のようなDXに関する調査結果も出ています。
●DXを推進している国内企業を対象とした327社のうち、「本気で取り組み成果を上げている」と回答した企業は26.3%。
- 日経BP社 「デジタル化実態調査」(2019年11月)
●日本でDXに成功している企業は14%であり、調査対象国全体の成功割合である30%の半分以下。
- ボストンコンサルティンググループ「デジタルトランスフォーメーションに関するグローバル調査」(2020年10月)
●「目指すべき姿への変革を実現している、もしくはそこに向けて順調に進んでいるという取り組みは、全体の7%しかない」
- アビームコンサルティング社によるリサーチ(2020年12月)
●「95%の企業がDXにまったく取り組んでいないか、取り組み始めた段階」
- 経済産業省DXレポート2(2020年12月)
いかがでしょうか?
少なくとも、「DX推進が上手くいっている」とは言えない状況であることがわかると思います。
DX推進を阻む課題たち
このような状況に陥ってしまっている、いくつかの代表的な要因を挙げてみたいと思います。
その1.状況判断の誤り
私たちが生きているのは先の見通せない「VUCA」な世界であって、かつてのような右肩上がりの世界ではありません。カネヴィンフレームワーク(下図)でいうと、「複合系」「混沌系」(左側)に近い状況に直面することが多いのではないでしょうか。
このような状況では、ベストプラクティスの採用やマニュアル化は有効でないケースが多いため、「まず動いてみる」「試してみる」が重要になってきています。
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その2.モノ売りの発想から抜けられない
日本は製造業を基礎とした産業構造において成功してきたこともあり、世界が「モノ売り=製品を売る」から「コト売り=顧客体験を売る」へと移行していく中、発想の転換に苦労している企業が多く見られます。
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その3.すれ違うトップと現場
経営トップはDX推進の旗を振っていても、現場に落ちると、既存システムの改修や効率化プロジェクトなどに変わっててしまい、経営トップの思いとの大きなGAPが生じているケースも散見されます。
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その4.小さく始めて 小さく終わる
「まずは小さく始めて大きく育てよう」という言葉はよく聞きますが、既存の意思決定システムを変更しないまま進めたがために、ほとんどが小さいまま消えていってしまう。これもよく見られる傾向です。
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その5.組織の「壁」を越えず、コラボレーションも不足
組織内の各部門が、それぞれに別個のコンサルタント会社やITベンダとプロジェクトを進めていくために、横の連携のない組織サイロを新たに作り出してしまっています。「全体最適化」の視点と、それを誰がどのようにガバナンスしていくかというリーダーシップの問題もあります。
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上記で挙げた以外にも、多岐にわたる課題がDXの推進を妨げています。
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まとめ
DXは企業が避けて通れない、喫緊の課題です。
しかしながら、多くの企業のDXの取組は、多くの課題によって阻まれ、上手くいっていないのが現状です。
次回の記事では、今回ご紹介した課題を解決し、DXを推進していくためのポイントについてご紹介したいと思います。お楽しみに!
おわりに
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