ITサービスマネジメント(ITSM)導入の勘所
ITSMの導入がうまくいかない、ITSMツールは導入したが成果が出ない、スモールスタートはできたが横展開できない…
そんな悩みを抱える実務者向けに、IT VALUE EXPERTS(IVE)のコンサルタントが、ITSM導入を円滑に進めるために押さえておきたいポイントをご紹介します。
(「ITSMとは何か?」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。)
1 「ITSMの導入」とは?
1-1 何を変えるのか?
「ITSMを導入する」とはマネジメントシステムを変革することです。
ここでいう「マネジメントシステム」には以下が含まれます。
組織
要員・スキル
プロセス
管理指標
文化
情報
技術(ツール)
パートナー(協力会社)
挙げていけばもっと挙げられますが、マネジメントシステムに含まれる要素は多岐にわたり、どれか一つを変えればよいというものではないことはご理解いただけると思います。
1-2 何を活用するのか?
ITSMの導入はITIL®他のベストプラクティスを活用して進めていきます。
ここで大事なのは、「ベストプラクティスとはImplementation(導入)するものではなく、Adopt & Adapt(採用し、適応する)するもの」であるということです。つまり、教義やマニュアルのように忠実に従うものではなく、自組織の規模や事業内容、課題に合わせてカスタマイズして利用する前提なのです。
一方で、カスタマイズして使う前提であるならば、我流でやっても変わらないのではないか、と考えることも可能ですが、ベストプラクティスは数多くの会社で「うまくいった事例」を体系化したものなので、我流でやるよりははるかに成功率を高めることが可能です。
ベストプラクティスはベストプラクティスとして尊重すべきです。
1-3 どこから始めるべきか?
ITSMの導入をスタートするにあたってはいくつかのアプローチがあり、各社ごとに異なりますが、弊社では以下の理由から、「顧客に直面するプロセス」からのアプローチを推奨しています。
顧客の「困りごと」にアプローチすることで、顧客に早期に活動に巻き込むことができる
活動の成果が直接的に見えるため、マネジメントのコミットメントを引き出しやすい
顧客に直面するプロセスはベストプラクティスとして確立されている(枯れている)領域であることが多く、成功の確率が高い
2 ITSM導入に活用できる手法
ここからは、ITSMの導入にあたって活用できる手法について見ていきます。
2-1 継続的改善モデル
「継続的改善モデル」はITIL4の「サービス・バリューシステム(SVS)」の5つの要素のひとつで、あらゆる改善活動に汎用的に活用できるモデルです。
経験豊富な実践者からすれば「当たり前」のことが書かれているだけに見えるかもしれませんが、多くの事例がその「当たり前」のことができていないために失敗しています。自社のITSM導入において、何が欠けているのかを見極めるためにも利用できます。
2-2 従うべき原則
「従うべき原則」もITIL4のサービスバリュー・システムの5つの要素のひとつで、ITサービスマネジメントのすべての活動に適用される原則です。
これらの原則は、ITILだけでなく、アジャイル、DevOps、Leanなどの考え方、プラクティスが取り込まれており、あらゆる改善を進める際の指針として活用できます。
2-3 ITSM変革の5つのP
サービスマネジメントの変革においては5つのPの視点が重要となります。この5つのPの視点で活動を推進していくことで、変革をバランス良く、漏れなく確実に進めることが可能になります。
3 ITSM導入 成功パターンと失敗パターン
当社の経験から見たITSM導入の成功・失敗パターンは以下のものがあります。ご自身の組織の取組みが失敗パターンに陥ってないか、チェックしてみてください。
4 終わりに
今回はITSM導入の勘所として、ITSMの導入とは何か、ITSM導入手法、成功パターンと失敗パターンについてご紹介しました。
ご紹介した内容が皆様の組織におけるITSM導入の参考になれば幸いです。
(ITIL4の概要など、今回の内容に関連する記事はこちらからご確認ください。)
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