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ITSMツール導入の目的を定義する

今回は、最近当社に相談いただくことが増えているITSMツールの導入・活用において、共通の課題となっている「ITSMツール導入の目的」について考察してみたいと思います。
このnoteを見ていただいている方には過去記事「絶対に押さえたい!ITSMツールの導入・活用の勘所」も参考になると思いますので、こちらも是非ご確認ください!

1 ITSMツール導入・活用に関する悩み

ITSMツール(本記事では、ITIL®他のベストプラクティスに準拠している商用ツールを指します)は、一定の規模の企業のITの現場では一般的に利用されるようになってきました。最近では、IT業務のDXという文脈で採用・導入が進むことも増えてきています。
一方で、最近になってその導入、活用についての悩みについての相談をいただくことが多くなってきました。

  • ITSMツールの導入を検討しているが、上層部の説得に苦労している

  • ITSMツールは導入したものの、上手く活用できていない

  • (高価な)ライセンスコストに見合う価値が出ていない(結果として、ツールのリプレースや、ツールの利用範囲の拡大を強く求められている)

2 悩みの発生原因=ITSMツール導入の目的の定義

これらの悩みが発生する原因を突き詰めていくと、主な原因の一つとして導入前の要求分析、特にITSMツール導入の目的の定義が十分でないことが挙げられます。

  • そもそも目的が明確でない(例:DXが目的?)

  • ITSMツールを導入することが目的になっている

  • 目的の達成目標(期待効果)が明確でない

  • IT部門に閉じた目的になっている 等々

※これらの点については「絶対に押さえたい!ITSMツールの導入・活用の勘所」でも触れています。

3 目的を定義するためのポイント

ITSMツール導入の目的を定義する際に、当社では、「ITによるビジネス貢献フレームワーク」(下図)を用いることを推奨しています。
※ITによるビジネス貢献フレームワークは当社のコンサルティング経験を踏まえて考案したもので、ITSMツール導入だけでなく、あらゆるITによる変革で活用可能なフレームワークです。

ITによるビジネス貢献フレームワーク
©IT VALUE EXPERTS

このフレームワークをベースに、より良い目的を定義するために参考になるポイントを3つご紹介します。

1.ステークホルダー(関係者)への価値を考慮する(フレームワーク上段)
ITSMツールを導入して、誰にとっての、どのような価値(効果)を狙うか。
目的はステークホルダーへの価値を踏まえて考える必要があります。
「ステークホルダーは誰か」という観点で考えると、これまでと違った目的が見えてくるかもしれません。

2.ITによるビジネス貢献の「6つの観点」から目的を考える(フレームワーク中段)
「売上創出」「コスト削減」「支出の抑制」「顧客満足」「リスク低減」「法規制遵守」の6つの観点から考えることで、特定の領域(例:コスト削減)に偏らずに目的を検討することができます。
また、これにより定量的な効果だけでなく、定性的な効果も示すことが可能になります。

3.組織の協働(コラボレーション)を意識する(フレームワーク下段)
ITによるビジネス価値の創出には、IT運営モデルを構成する「経営」、「事業」、「IT」、「パートナー」の協働が欠かせません。
ITSMツールの導入の目的を考える際に、「IT」だけの視点で考えるのではなく、他組織との協働を前提に考えるとより「意味のある」目的が見えてきます。

4 まとめ

本記事では、ITSMツールの導入・活用の悩みの原因となっている「ITSMツール導入の目的」を考える際のポイントについて、フレームワークを用いてご紹介しました。
本記事の内容が、皆さまのITSMツールの導入・活用のお役に立てば幸いです。

IT VALUE EXPERTSでは今回ご紹介したITサービスマネジメントをコアにしたコンサルティングサービスを提供しています。
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以上

※本文中に記載されているフレームワーク、ベストプラクティス等に関する商標に関する情報はこちらをご参照ください。


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