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「問いと対話を生むシステムとしての教材」SDGs教材企画担当:森俊介

SDGsを英語でクリティカルに考える教材、「Thinking Critically about SDGs」を開発する一般社団法人国際エデュテイメント協会の石川です!

私はSDGsの17のゴールごとに、関係者の方々へインタビューを行い、その内容を教材化していますが、今回は教材開発メンバーに対し、どのような想いで教材開発に取り組んでいるのかをインタビューしていきたいと思います。

ぜひ楽しんでください!

- IUEO創設の経緯について教えてください。
 弊法人は2018年の6月に設立されました。もともとは前任者の井口が弊法人を立ち上げ、全国の学校で英語勉強会や国際的な人材を育成するためのイベントなどを行なってきました。私自身は、2020年の4月から代表理事に就任をし、事業領域を拡大して今に至るという感じです。

学生時代から社会的に価値のあるものを形にしていきたいという思いがあったので、前職では教育スタートアップに身を置き、大企業等で働くよりも比較的経営に近い立場で仕事をしていました。昨年のタイミングで自分自身が経営の立場になったのは、様々な事情が重なってチャンスを頂いたということがきっかけです。なかなか大変ではありますが、試行錯誤をしながら一歩一歩前に進んでいる段階です。

石川:「2020年の夏頃に、佐藤さんの紹介で森さんと(画面越しに)初めてお話しましたね!森さんの第一印象は、エネルギー溢れる、未来に向かうお兄さんっていうイメージでした笑」


- 今、IUEOで何を目指しているかお聞かせください。
 弊社は「今、これからを生きる力を」を理念として掲げ、教材開発とICT教育支援を主な軸として事業を行っています。コロナは誰もが想像できなかった事態で社会を180度変えました。テクノロジーも目覚しい変化を遂げています。変化がとてつもなく激しい現代社会、未来はもっと時間軸が早くなっていくことが考えられます。そんな未来を生きる私たちが力強く幸せに生きていくためには、変化に対して冷静に分析し、その上で自分で考え、考えに沿って行動できる人材だと思っています。教育業界はそんな現代社会に対応するための人材育成のための指導内容やカリキュラムに変化しようとしているところです。私たちはそのような変化において、あらゆるサポートをしていきたいと思っています。


- SDGs教材への想いを教えてください。
 そうですね。私が本教材を企画する上で常に考えていたのは2つの想いです。1つは「深く考えることの重要性を認識すること」2つは「教材という媒体を利用することで、目の前にいる人以上の多くの人々をポジティブな方向に導くこと」です。どういうことかわからないと思うので、背景を少し共有させてください。


 私が本教材を企画する際に、学生時代にカンボジアで活動してい「EDUCA」というプロジェクトが思い起こされました。プロジェクトについて詳しく説明すると長くなってしまうのでここでは言いませんが、ユニークな活動をしていたこともあり、社会人から学生まで多くの方から関心を持っていただきました。交流をする中で、「なぜカンボジアでの活動なのか」「なぜこんなことをしているのか」「それをする意味とは何か」のようにたくさんの質問をもらいました。


自分としては経験も乏しかったので、感覚的に良かれと思ってやっていることが多く、聞かれて初めて「なんでだ?」なんて思うことも多々ありました。そしてその都度考えました。そこで深く考えることの重要性を認識しました。なぜなら一つの問いを考えると、さらにその先に深い問いが待っており、その問いを考えると最初の問いに矛盾が生じたりします。いかに自分が浅はかな考えを持っていたということを知ることになります。そして、いつも思います。「良いこと」とはどういうことなのかと。


例えば、ある街を歩いているとします、目の前に子どもがいて食べ物がなくて困っています。あなたはその子に何をしてあげますか?
「食べ物をあげる」ということがまず頭に浮かぶと思いますが、果たしてそれが「良いこと」でしょうか。仮に食べ物をあげたとします、そうすると300メートル歩いた先にまた同じように苦しむ子がいたりするんですよね。その時にさっきまでは食べ物を持っていたけれども、あげてしまったので今は持っていません。そうするともうその子には食べ物をあげられないんですよね。これって不平等を生んでしまいますよね。こういうのってキリがなくて、また100メートル歩くと同じような状況に遭遇し、これはその街に限らず全世界にいます。

それでは良いこととはどのようなことなのでしょうか。やるせない思いをいつも抱えながら、何をすれば良いのか、と考えるとやはりいつも行き着く先は「システムを作る」ということなんですよね。システムとは社会基盤であったり、ITのシステムであったり、色々あります。つまり、多くの人たちがそのシステムによって恩恵を受けられるものを指します。

だいぶ脱線してしまいましたが、本教材への想いの1つは、深く考えることの重要性を認識すること。これは本教材で取り上げる内容から自分はどうなんだと、どうあるべきなんだと、クリティカルに考える教材になっています。まさに私がカンボジアのプロジェクトでみんなからの質問で私自身が考えたように。

2つ目は、教材というシステムを利用することで、目の前にいる人以上の人々をポジティブな方向に導くこと。これは教材というシステム(媒体)を通じて、多くの人々に考えるきっかけを提供し、その結果一人ひとりがより良い未来の実現に向かって“動くように“なって欲しいということ。ささやかな一歩でも一人ひとりが踏み出すことで大きなムーブメントに変わっていきます。私が100をやるよりも、0.1の動きを100万人が起こした方が大きな動きになるわけです。みんなで手を取り合って未来を創っていけたらいいなと思っています。

石川:「森さんとは何度かご飯に行き、カンボジアでの体験を聞かせていただきました。開発の側面で言うとカンボジアは後進国と呼ばれますが、現地の住民はお金がなくても幸せそうに見えた、という森さんの言葉を覚えています。世界中でたくさんの開発援助が行われていますが、SDGsの中には、物質的豊かさでは測れない、well-beingの指標もありますよね。森さんのようにクリティカルに問を発し続けたいです。」


- 教材の書籍化について、想いを聞かせてください。
 やはり学習には紙媒体である必要性というのは一定数あります。私も学生時代は単語を覚えるとき、構造を理解するときには紙とシャーペンでひたすら書き込むタイプの人間でしたので、紙でないといけない部分てあるなと思っています。

しかし、SDGs教材であるのに、書籍化する、紙を使う、ということには違和感がありました。なので、紙から社会を考えるきっかけを提供したいと思い、色々リサーチした結果FSC認証紙での印刷をしようと思っています。何気なく使っている紙がどのように社会に影響しているのか、教材を手に取るところから学びが始まればいいなと思います。


- 教材の読者へのメッセージをお願いします。
 弊社のメンバーも私も本教材を開発するにあたり、たくさんの想いを込めて作っているので濃い内容になっていると思うのですが、それはさておき、この教材を手に取った人が自分なりにこの教材を捉えてくれたらと願っています。SDGsの中で取り上げられる内容は社会テーマでもあり、それって特に「これ」という明確な答えがあるわけではありません。美術家のマルセル・デュシャンは「アートとは鑑賞者とアーティストとの対話」と表現されていますが、本教材でもこちらから明確に打ち出したいメッセージを100%素直に受け取る必要はないと思っています。自分なりに教材を捉え、そこからなぜだろう、自分ならこう考える、と能動的に教材に入り込んでもらえたらなと思っています。

石川:「教材を執筆していますが、まさに、読者と会話をするつもりで書いています!教材というシステムを使って、より多くの読者と深い対話を生み、一緒に”動いて”いきたいですね!」

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※本インタビューは、弊社のSDGsをクリティカルに考える英語教材「Thinking Critically about SDGs」の制作に関する内容です。


「Thinking Critically about SDGs」では、中高生がSDGsを英語で学びながら、社会に対してクリティカルに考え、自分の意見を表現することができる教材です。「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、一人でも多くの方が社会を見つめ、考え、自分なりに意見を持つ、ことが重要だと考えています。本教材は、それらを習得できる教材です。

また、この度本教材については、”環境に配慮したFSC認証紙で書籍化のためのクラウドファンディング”を9月に実施することを予定しております。

ぜひ本教材の普及にご協力いただける方は、本note記事のシェアやクラウドファンディングページ(準備中)へのご支援をよろしくお願いいたします。

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