19時間目 破壊の悪魔
このお話は100%フィクションです。
(1時間目からお付き合い頂ける方はこちら)
ここに、国から認められていない集落があった。
小さな島に築かれた、その村の名前は「うさん村」
この村にタツオ学院という寺子屋を作った者がいた。
ここでは嘘つき学という学問を教えている。
この世の中が嘘で回っている事実を認め、正しく嘘と向き合うことにより、悪意のある嘘に騙し騙される事がないようにという教えである。
※前回、キナ臭島の先住民族「隠れカマシタン」と「ヤミ陰陽師」の乱を、チェリー・サワタの神曲『下痢のレディオ』が静め、うさん島全体が1つになった。しかし、突如として『超大型 夜黒龍』に乗ったシタ・タカが現れ、うさん島は恐怖に震えた。前回のあらすじはこちら
それでは本編をどうぞ
シタ・タカ:「ヒャッホー!!夜黒龍よ、村を破壊して村民どもを踏み潰せ!!」
村民:「やばい!!こっちへ来るぞ、逃げろ!」
ドシンッ
村民:「キャー!助けて!!」
ヒノキダ・ゲンコク:「何と言うことだ!!ホウくん、ヨウさん!皆を安全なところに避難させなさい!!ワシはあの巨大力士と一戦交えてくるわい!!」
ヨウ・レイ:「承知しました」
ホウ・マン:「ヒノキダ先生!どうか、ご無事で…」
シタ・タカ:「ヒャッヒャッヒャ!恐れおののけ、テメェらに生きるという選択肢はもうねぇんだよ!!そうだ、我が永遠のライバルはどこだ?メザメノ・アカシは何処にいる!!」
いつもタツオ:「アカシ…。どうやらシタ・タカはお主のことを探しているようじゃぞ。随分と執念深い奴に好かれたもんじゃな」
メザメノ・アカシ:「…。この状況で最も生存者を残す方法は何だ。ダメだ…浮かばない」
ドシンッドシンッ
村民達:「こんどはこっちに向かって来たぞ!!逃げろ!」
隠れカマシタン:「あんなの反則だろ!!逃げろ!」
メザメノ・アカシ:「まさか、夜黒龍がここまでの力を手に入れていたとは。これだけ圧倒的な力では、どう足掻いてもこの村が助かる術はなさそうだ…ジロー、どう思う?」
ナメック・ジロー:「今回ばかりは、打つ手無しです。最終的な手段を取るべきでしょう、迷っている暇も無さそうです」
メザメノ・アカシ:「タツオ先生…。貴方しか頼める人はいなそうだ。これは2択です。シタ・タカの目的の1つに私を苦しめることもある筈です。私がおとりになって時間を稼ぎますので、人口知能『で〜ぶランニング』のリセットをお願いします。前にも話しましたが、リセットすると大爆発が起きます。このまま全ての村民が夜黒龍に踏み潰されてしまうのか、爆発覚悟で先生が『で〜ぶランニング』をリセットして下さるのかは…先生に委ねます。無責任な事を言って申し訳ない…」
いつもタツオ:「えっ!?マジ?」
メザメノ・アカシ:「残念ながら、マジです…これを渡しておきましょう。リセットに必要なマイクロチップです。『で〜ぶランニング』の割れ目の中心部に差し込んで下さい。時間がない!賢明なご判断を、では!!」
いつもタツオ:「マジ!?皆の衆、聞いたか?サラッと凄いこと言ったよね」
ドシンッドシンッ
ナメック・ジロー:「ひとまず、『で〜ぶランニング』の本体があるバナナ社の地下に向かいましょう!マイクロチップまで取られてしまえば、もうこの村を救う手立ては有りません。向かいながら良い方法を考えますから、とにかく急ぎましょう」
イチモツ・コタロー:「でも、タツオ先生ごと吹っ飛んじゃうんだろ?良いのかそれで」
シメノ・ダイフク:「先生、無理することないよ!先生が『で〜ぶランニング』のリセットをしなくたって、皆んなが夜黒龍に踏み潰されて苦しみながら生き絶えるだけだから問題ないよ!」
ユカノ・モプコ:「ダイフク、おめぇ煽ってどうすっだ!!全然はげましになってねぇぞ」
ウマミ・スー:「ここにいても生き延びる確率はゼロよ!行きましょう!!」
いつもタツオ:「はぁぁぁ、最悪な状況じゃ…いざとなったら逃げ出しちゃお…」
ドシンッドシンッ
メザメノ・アカシ:「シタ・タカ!私を探しているんだろう?ここにいるぞ!!」
シタ・タカ:「おっ、早速お出ましか。やけに潔いじゃねぇか!お前は賢いから、この圧倒的な力を前に自分の無力さに気が付いたんだろ?」
ドシンッドシンッドシンッ
すぐにスワル:「まずいな、アカシを守れ!」
隠者ども:「オォー!!」
ヒノキダ・ゲンコク:「スワル殿!さっきから足の急所を突いて攻撃しているのだが、サッパリ効かんのじゃ!夜黒龍の弱点が全く見当たらない!!」
すぐにスワル:「ゲンコク先生、夜黒龍は元々コンピューターウィルスの一種じゃ。強いて言うならば、あの人口知能『で〜ぶランニング』が稼働している間は不死身じゃよ…。肩に乗っているシタ・タカを倒すしか方法は無いじゃろう!」
隠者ども:「スワル!ダメだ、蹴っても殴ってもビクともしない」
メザメノ・アカシ:「ぐわぁー!!」
シタ・タカ:「ヒャッヒャッヒャ!ざまぁ〜みろ!!遂に捕まえたぞ」
超大型 夜黒龍:「ガッハッハッハ」
メザメノ・アカシ:「シタ・タカ!お前は何故こんな事をするんだ!村を支配してどうする気なんだ。グフゥッ!」
ヒノキダ・ゲンコク:「!! し、しまった!」
シタ・タカ:「なぜって…。気に喰わねぇからだ!テメェを天才と持てはやす村民どもが、許せねぇんだよ!」
メザメノ・アカシ:「そ、そんな理由でこんな大それた事をしたのか!」
シタ・タカ:「おい、お前。覚えているか?少年時代の事を。村で年に一度行われている『暗算boys選手権』で9年連続優勝だった俺は村民達から『天才』、『村の宝』と期待されていたんだ!なのに10年目で彗星の如く現れたお前に、決勝戦で圧倒的速さで完敗した。村民達は、それまで俺に掛けていた期待を嘘のように、手のひらを返しやがった!俺が何をやっても『アカシの2番煎じ』、『永遠の2番手』と揶揄されたさ!この苦しみがお前には分からないだろう!!」
メザメノ・アカシ:「なんて独りよがりな奴め!お前は嫉妬にまみれているのがお似合いだ!」
シタ・タカ:「夜黒龍!締めろ」
メザメノ・アカシ:「ぎゃぁぁぁ」
シタ・タカ:「お前に消えてもらうのは、愚かな村民どもを皆殺しにしてからだ!お前の故郷が恩師達が苦しみながら踏みつけられていくのを見るのは、さぞかし心苦しいだろう!ヒャッヒャッヒャ!!!」
※一方、タツオ達はバナナ社に到着していた
いつもタツオ:「商業地域は見るも無惨なことになっとるのぉ。人っ子一人おらん、もぬけの殻じゃ。煙の臭いで鼻がもげそうじゃな」
ナメック・ジロー:「リセットするかはさておき、ひとまず『で〜ぶランニング』の位置だけは特定しておきたい。ここからは手分けして動こう。万が一、リセットした時に備えて、スーとモプコは商業地域にまだ人が残っていないか確認してくれ、爆風に巻き込まれてしまう」
いつもタツオ:「ねぇ、マジで吾輩がやらなきゃダメなの?」
ナメック・ジロー:「先生、万が一の話です。それに、アカシさんも言っていましたが、選択は先生に委ねられている…。正解なんてありませんよ、備えあれば憂いなしです。下準備だけはしておきましょう」
イチモツ・コタロー:「ジロー、時々お前の冷静さが非情に感じる時があるわ…。まっでもジローの言う通りだな、先生がどんな選択をしようが俺に取って先生は先生のままだぜ」
シメノ・ダイフク:「そうですよ!たとえ先生がリセットせずに村民達が車に轢かれた蛙のようにペシャンコで無惨な骸を晒したとしても、誰も先生を恨まないよ!!」
ユカノ・モプコ:「ダイフク、おめぇワザと言ってるだろ!ジローよりダイフク、おめぇの方がサイコパスだ!」
ウマミ・スー:「時間がない!先生ならきっと良い選択をするはずよ!モプコ、行くわよ!」
※一方、超大型 夜黒龍は
メザメノ・アカシ:「クッ!しかし何故 夜黒龍は、ここまでの力を手に入れることが出来たんだ!」
シタ・タカ:「お前の作り上げた『で〜ぶランニング』の中には純粋無垢な力士達が懸命に働いていた。夜黒龍は内部に潜入し、約3億匹の力士型因子を吸収した。いわばこの超大型 夜黒龍は、お前が作り出した力士型因子の塊だ。おい、自分で自分の首を絞めるのは、どんな気持ちだ?」
メザメノ・アカシ:「このイカレポンチめ!」
シタ・タカ:「嗚呼、もっと苦しめ!ところでさっきお前のいた場所から、あの うさん臭いタツオ学院?の院長と生徒が商業地域の方向に向かって走って行っただろ?お前、何を指示したんだ!吐け!」
メザメノ・アカシ;「ぎゃぁぁぁ、くたばっても言うものか…」
シタ・タカ:「ま、まさか『で〜ぶランニング』の本体に何かする気か!夜黒龍!バナナ社に向かえ!」
すぐにスワル:「まずい、夜黒龍が進行を始めた!商業地域に近づけてはならん!しかし、ワシらだけでは手に負えんか…」
上杉雲双:「すぐにスワルよ、手を貸すぞ!このデカ物を足止めすれば良いのだな。者共!続け!!」
元討伐軍:「ワァーワァー!!」
ペイン・ポスギ:「上杉なんかじゃ使い物にならないぜ!このオレ様に任せろ!!」
カマクサ・ムシロー:「チッ、今回ばかりは俺達も手を貸すぜ!」
ヤミノ・ペイメイ:「ワラワ達もやるぞよ!呪術の準備じゃ!カシマシカシマシ…」
チェリー・サワタ:「hey!!get out, f○○ker!!!」
-ナレーション-
うさん村、いや「うさん島」に住む勇士達が、シタ・タカと夜黒龍に立ち向かう。ますますタツオの選択によって、全てが決まりそうな様相を見せている。果たしてタツオは『で〜ぶランニング』をリセットするのだろうか…。
最後まで読んでくれてありがとう!
この物語は、どんなエンディングを迎えるのか。このつづき20時間目はこちら
-つづく-