5時間目 官能 うさんビーチ
※このお話は100%フィクションです。
(1時目から読んでみたい方はこちら)
ここに、国から認められていない集落があった。
小さな島に築かれた村の名前は「うさん村」
この村にタツオ学院という寺子屋を作った者がいた。
ここでは嘘つき学という学問を教えている。
この世の中が嘘で回っている事実を認め、正しく嘘と向き合うことにより、悪意のある嘘に騙し騙される事がないようにという教えである。
前回、「隠者の森」で天才科学者メザメノ・アカシを取り巻く厄介事に巻き込まれたタツオとタツオ学院生徒らは、これ以上「隠者の森」でのフィールドワークは危険と判断して寺子屋に戻ってきた。(前回のあらすじはこちら)
では本編をどうぞ
いつもタツオ:「皆の衆、隠者の森での学習は失敗に終わってしまったが、吾輩は諦めておらんぞ」
イチモツ・コタロー:「おい、だから自然と触れる事と 嘘つき養成講座は何の関係があるんだよ!」
いつもタツオ:「まぁ待て。どうもお主は気が早くてよろしくないのぉ。いいか言葉では表すことが出来ない感覚の問題なのだ。つまり、その答えはお主の身体が握っておるのじゃ」
シメノ・ダイフク:「プッ!タツオ先生が遠回しに発言する時って、大半は何も考えてないんだよなあ」
ウマミ・スー:「話ながら考えてるパターンね。ほんと薄っぺらい行き当たりばったり野郎ね」
ナメック・ジロー:「二人とも静かに。聞こえると またヘソ曲げて面倒になる」
いつもタツオ:「山がダメなら海でどうじゃ!ってことで、うさんビーチに向かうぞ。ささっ早く支度せんか、出発じゃ!」
ザッザッザッザ
いつもタツオ:(ふぅ、出発したのは良いのものの…。またしても、ウンチしたーい!!この辺りは建物も多いし、どっかにお邪魔して済ましちゃお)
いつもタツオ:「皆の衆、吾輩は知人の店が近くにあるので少し顔をだしてから向かう。先にビーチに向かっとれ」
ユカノ・モプコ:「タツオ先生、すげぇ汗かいてっけど大丈夫かぁ?ありゃ、あっという間に行っちまったなぁ」
ウマミ・スー:「それにしても…。私たちの格好ってビーチに合わないわよね」
シメノ・ダイフク:「うさんビーチは、海外の人もバカンスに訪れる観光名所だもんね」
イチモツ・コタロー:「いや待て、そうでもないぞ。アイツを見てみろ」
通りすがりの異国人:「ん〜道に迷ったヨ」
ナメック・ジロー「観光客にも着物を貸し出して、思い出作り商戦とは考えたものだな。それ以外でも、このビーチは和服を着た人がおおいな」
通りすがりの女:「やだ〜日焼けしちゃう」
いつもタツオ:「きみ〜♡吾輩のサンオイルを使いたまえ!肌にも優しいタイプだから、君のような繊細レディに持ってこいだよ」
イチモツ・コタロー「あのクズ。何やってんだ?マジで」
通りすがりの女:「はあ?」
通りすがりの男:「〇〇子ちゃん。待った?誰そいつ?」
通りすがりの女:「いやマジワケワカメ!こんなカイワレ野朗しらない!行こっ♡」
シメノ・ダイフク:「タツオ先生!手も早いが散るのも早い、残念でした!」
いつもタツオ:「んふ!!ポッチャリ王子、今のやり取り見ておったか?」
ナメック・ジロー:「これは醜態と呼ぶに相応わしいですね。せめて番号ゲットまでは見たかったが…。そもそもターゲットを絞るのも下手ですね」
ユカノ・モプコ:「タツオ先生。あそこの女性はどうっすか?ありゃとんでもねぇ べっぴんさんだあ!」
いつもタツオ:「ん?どこじゃ」
謎の女性:「…。」
いつもタツオ:「…。」
イチモツ・コタロー:「おい!先生が固まったぞ。一目惚れってやつか?グラサンを目玉で飛ばしちゃうってどんだけだよ」
男:「これはこれは、タツオ先生ではありませんか!」
いつもタツオ:「ヒ、ヒノキダ先生!こんなところで何をしとるんですか?」
ヒノキダ・ゲンコク:「いや、人と待ち合わせておりましてな。おぉ、おったおった。ホウ君!」
ホウ・マン:「ヒノキダ先生、お久しぶりです。わざわざお出迎えまでして頂いて恐れ入ります」
いつもタツオ:「あのぅそのぅ、お二人はどう行った御関係で?」
ヒノキダ・ゲンコク:「ああ彼女はホウ・マン君です。我がヒノキダ治療院の気功法治療、その名も波動砲七変幻(はどうほう しちへんげ)を習得すべく中国から学びにきたセラピストです」
ホウ・マン:「ホウ・マンです。どうも初めまして♡」
-つづく-
〜新 登場人物〜
「檜田玄黒」 (ヒノキダ・ゲンコク)
気功法治療の権威で手から7つの波動を出す男。うさん村みんなの健康が彼に掛かっていると言っても過言ではない。
作家としての一面もあり、代表作「海パン新書」は、生涯 海パンのみで過ごした男の半生を描いたハードボイルド官能ラブロマンス。この年の書籍発行部数で第1位の大ベストセラーとなり一躍ときの人に。大の女好きとして有名で、かつて「うさんビーチ」でナンパした女性は数知れず。「テイクアウトのゲンコク」や「狩人ゲンコク」などとド派手な異名を持つ。
「ホウ・マン」
ヒノキダ流の医術を逆輸入しようと中国からやってきたセラピスト。ゲンコクの助手で、謎が多い。もう、とにかく豊満。
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