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ストーカー



どうも、オネムです。
今回は長年悩まされたストーカーの話をしましょう。


結論から言うと、13歳から30歳までの18年間、何故かほとんど途切れることなく被害を受け続けた。
原因はいまだに理解出来ていない。

自分は特別可愛いわけでもスタイルが良いわけでもない。しかし、これが逆にターゲットになりやすいという説もあるらしい。

そもそもストーカーをするな。


大人になってからはその都度警察に相談したが、どれも特別大きな実害がない、もしくは相手が特定出来ないため、パトロールの強化が限界だった。



初めて被害を自覚したのは13歳の春。通学路や友人と出掛けた先で気持ちの悪い視線を感じるようになった。
最初こそ気のせいだと思って気に留めていなかった。


ある時、見知らぬ男に突然封筒を押し付けられる。当時の記憶をもとに考えると、相手は今の自分と同じ30代ぐらいだったと思う。

受け取った自分もどうかと思うが、漫画のような出来事だと恐怖より好奇心が上回り、中身が何なのか気になって自室に戻って開封した。
それは自分を盗撮した自作の写真集だった。一瞬で血の気が引くのを感じた。

これを誰かに見られてはいけないと思い、両親に相談するという選択肢すら一切浮かばなかった。
泣きながら出来るだけ細かく破き、切り刻み、中身が見えないように袋に詰め、近くのコンビニのゴミ箱に捨てた。


すでに引きこもりだったので元々外出する機会は少なかったが、それすらも無くなり、しばらくは怯えて過ごした。
しかし13歳の自分の考えは甘く、次第に危機感が薄れ、再び深夜にも外出するようになる。これがよくなかった。



肌寒くなってきた頃、深夜コンビニに行こうと家を出ると、庭の塀の向こうに車が停まっていることに気付いた。

特に気にもせず横切ろうとしたら、突然助手席のドアが開き、車内に引き摺り込まれた。強い力で腕を引っ張られ、一瞬のことだった。

状況が理解出来ず、パニックになっている間に車は発進。運転席の男が何かを話し始めた。
少し経ってから、あの時の男だと気付いたが、すでに遅かった。


男の運転する車は自分の通う中学校へ向かい、職員駐車場に停まった。一方的に話し続ける男は自分に覆い被さった。

恐怖で対抗することも出来ず、服を脱がされ、行為が始まった。初体験はストーカーからのレイプだった。

「大事にしたいからゴムはつけるね」

この言葉だけは覚えている。大事にするとは何なのかという話しだが。

行為が終わり満足したのか、その後すぐに家に送り届けられた。


自宅に戻ってすぐお風呂場に駆け込み、血が滲むまで身体を洗った。
この時の自分はレイプされた後の対処法など知る由もない。誰かに相談することも出来ず、何年もひとりで抱え込んだ。

以降、直接的な接触はなかったものの、中学を卒業するまでこの男に付き纏われ続けた。


ここからは数が多すぎるので、印象的だったものをメインにまとめる。


高校生になると、毎回決まった駅から同じ車両に乗ってきてニヤニヤとこちらを見続ける男に遭遇する。
同じ駅で降り、学校へ向かうバスに乗るまで一定の距離を取りながら後ろをついてくる。

車両を変えようが、乗る時間を変えようが、意味はなかった。


ある日は別の男に実家の最寄駅を出たところで後ろからほぼゼロ距離で家の前までつけられた。

帰り道は街灯もほとんどなかったため余計に怖さが増し、もし刺されでもしたらと急いで逃げ帰った。
玄関のドアを閉める時に少しだけ振り返ると、フードを深く被り、ニヤついた口元が照らされた不気味な男がそこにいた。


これはまた別で話そうと思うが、中学から付き合った元彼もストーカーになり、大変迷惑した。



夜職を始めると、ガチ恋客に粘着されることになる。
実家に住んでいた頃は家族に何かされないかと常に心配だった。


昼の職場の近くで一人暮らしを始めると、ガチ恋客の粘着はエスカレートする。

マンション付近や最寄りのコンビニでの待ち伏せ、ポストに性液の入ったコンドームを入れられたり、オートロックを突破して部屋のインターホンを連打されるなどは日常茶飯事だった。


この頃からガチ恋客でもない、心当たりのない相手が増え始める。


転勤で県外に引っ越し、一時的に夜職を辞めた期間も何故か新たなストーカーが入れ替わり立ち替わり現れる。
本当にどこから湧いて出るのか疑問でしかない。


一時期、ストーカー組合でもあるのかと真面目に考えたことがあった。あまりにも疲れていた。
何かしらのコミュニティは実際存在しそうだが。



元旦那と離婚すると、これまたストーカーになった。
自分の対策不足もあったが、引っ越し先を1週間足らずで特定され、家の周りをうろついたり職場に度々現れていた。


これは元旦那とは別件だが、朝起きて仕事の支度をしていると、カーテン越しに人影が見えた。
恐る恐る隙間から覗いてみると、何とご丁寧に「いつも見てるよ」と書かれた画用紙のようなものを持った黒一色の男が立っていた。

この時初めて腰を抜かした。パニックになり、警察への通報が遅れたため、犯人には逃げられてしまった。


この件を境に同じ県内ではあるが、別の市に急いで引っ越しをした。


しかし引っ越して数ヶ月で家に侵入される。
オートロックかつ、わざわざシリンダーキーに交換したのに突破されてしまったのだ。

部屋は特に荒らされておらず、入ってすぐの脱衣所に干してあった下着が1組だけ盗まれていた。

警察が大勢来たが、親身になって話を聞いてくれ、自分は被害者なのだから何も悪くないと言ってくれたのは、1人の女性警官だけだった。


2度の引越しの後だったので、さすがに費用を捻出するのも難しく、どうせ逃げても追われるとの諦めもあった。
結局その日に鍵を交換して気休めのスマートロックを取り付け、住み続けることになった。



夜職に復帰すると、たちまち被害は増加。相手が分からないことも多く、同一人物なのか、はたまた複数存在するのか明確ではない時期も多々あった。


警察からのアドバイスもあり、犯人を特定すべく監視カメラの導入を検討するが、集合住宅のためプライバシーの問題から大家と管理会社に却下される。
何年か経ってエントランスとエレベーターには監視カメラが設置された。


とはいえ監視カメラが設置された程度で被害が収まるわけもなく、相変わらずマンション付近での待ち伏せやオートロック突破の玄関先インターホン連打は当たり前だった。


マンションの階段から突き落とされて怪我をしたこともあった。痛みですぐには動けず、犯人を追いかけることすら出来なかったのは本当に悔しかった。


体調不良で仕事を休んでいると、職場の同僚と名乗る人物が「お見舞いに来た」と玄関先のインターホンを押した。
エントランスにしかカメラがついていないので顔も分からず、名前にも聞き覚えがなかった。
そもそもエントランスからの訪問ではない時点で怪しさしかない。

念の為、職場に相談したところ、そんな人物は在籍していなかったし、仮にいたとしても個人情報の閲覧権限がある人物は限られてくる。

単に職場を特定したストーカーだったのだ。



数年後、実家に帰るまでストーカー被害が絶えることはなかった。


あまりにも頻繁だったため、幻覚や幻聴も疑った。
自分の被害妄想で、ストーカーなど実在しないのではないかと考えることもあった。

しかし被害は全て実際に起こったことであり、出来る限りの対策はしたが犯人を特定するどころか、それを防ぐことすら出来ずじまいだった。


大きな怪我をしたり殺されるような事態にならなかっただけ良かったと思うしかない。


相手がどのような考えで及んだ行動だったのか理解したくもないが、こちらが疲弊し、トラウマを抱え、日々怯えて過ごすことになるなんて想像もしていないのだろう。


被害者の立場としては取り締まりが強化され、警察などの対応が改善されることを望むばかりである。







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