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夢現(ゆめうつつ)#9


中学3年の卒業式翌日が
高校の合格発表

良くしたものだ・・

不合格者が出た場合
先生方は対応に追われる

卒業後だったら
軽く対応して終わり

楽な商売だよ
後は親や友人に
丸投げだもんね

また、明暗を分けたことを
全員が知るなんて
耐えられない

思惑を勘案して翌日発表

前もって滑り止めの
確保ができているかどうかで
最小のケアですむ

そう考え
ある程度の感触は
持ちながらも
一抹の不安感はぬぐえない
そんな、気持ちで発表に臨む


・・・・・・
あぁ~

。。。。。

良かった
受かってる

私だけじゃない
あちらこちらで
歓声と笑い声が響く

これで安心・・・

私は、商業科を志望した
いつも働いている母親を
助けなければならないと
思っていたから

ひとりよりも二人
担い手が増えると
負担が軽くなる
いつもそう考えて
過ごしていた

そのためには高校卒業後
即戦力となるべく
就職することが
前提なのだ

結論から言いますと
在学中に
取得しなければならない
資格は大方取りましたので
事務員として卒業後は
無事に就職しました

しかし、ここからの
本編では
高校生の時に謳歌した
「遊び」に
触れていきたいと思います

その頃の私は
中肉中背、学力も中の上
目立たぬ「真ん中」が
好きな人間

と、言いながら
実は相当
目立つ存在だった


中学からの持ち上がりで
ボス的な子の
グループもいましたが
相変わらず「ぽつん」を
好む私は
我が道を行く高校生活

以前と違うのは
彼ができたこと。

驚いたことに以前から
ずっと「思ってくれていた」

そうだ

その点でも疎い私は
全く、気付くこともなく
中学生活を過ごしており

卒業式の日に
女子高に進学する私と話す
最後の機会だからと
勇気を出して
「告白」してくれました

私以外は彼の「思い」を
知っていたようで
在学中に何とかしようにも

「独りにしておいて」

オーラを
醸している私に
誰も手出しが
できなかったらしい


いじめすら
平気ではねつける

強靭な精神力の持ち主と
陰で、言われていたので
こっぴどく対応されたら
浮かぶ瀬がないよと
告白を
止められていたらしい。


私はそれほど
謎の人物として
評されていたようで
ずいぶんな言われようだ


ところが
実際その場面になると
未熟者の私は
彼のことを
名字しか知らないのに
コクられて「はい」と
言ってしまったのです

ハッキリ言って何ら深く
考えることもなく
一生懸命な様子と
「はぁ、なるほど」と
聞いているうち
「はい」というべき
なのだろうと

うーん

説得された・・・

・・・そんな感じでしたね


失礼な表現ですが
子供だったのです

早い子はkissや
経験があったらしいですが
私は蚊帳の外にいましたから
話すら
ほとんど触れることなく
過ごしていたため
わからなかったのが
正直なところでした

彼にしてみれば
逆にOK貰えるとは
考えもしなかったらしく

「はい」と答えた瞬間


「え?」と
聞き返しやがった


失敬だなぁ
と、思いつつ

もう一回「はい」と

答えると

びっくりした顔で

「ホント?」と、
更に
念押しされ

「嫌なら断りましょうか?」と
皮肉を言ってしまいましたが

顔を横にイヤイヤと
大きく振ると

合格発表の次の日に
早速デートの申し込み

それから
お付き合いが始まったのです

最初は名字と同級生
それだけしか
知らなかったのですが

彼は
「ヤンキー」
だったの・・・

毎日の重ねから私なりの 「思い」を綴っております 少しでも「あなたの」琴線に 触れるものがあれば幸いです 読んで下さり、ありがとうございます