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電気ブランの裏面の説明から昭和の世界に向かう
浅草浪漫の味
デンキブランは、明治の頃から浅草の代名詞とされてきたお酒です。ブランデーや
ワインなど洋酒の香草を加えたカクテルで、その処方は未だもって秘伝となっています。いわば、「夢のカクテール」と申しましょうか。明治の頃は、まだ電気が珍しく、目新しいものというと”電気〇〇”などと呼ばれ、デンキブランはハイカラなものとして、人々の大きな関心を集めたものです。あたたかみのある琥珀色、まろやかな甘さ・・・・・・今も昔と変わらぬその味わい。ストレート、オンザロック、ソーダで割ってハイボール風にして召し上がれます。浅草浪漫の味をあなたの舌でお確かめください。
電気ブランを知ったのは、森見登美彦先生の「夜は短し歩けよ乙女」を読んだときだった。あの世界観がとても好きだし、作中に出てくる偽電気ブランにとても憧れた。
一方で現実世界に生きている私ですが、最初は興味本位で飲んでいた電気ブランを好んで飲んでいます。香草のせいかクセがあると言われますがそれがいいのです。
今日は全て飲み切った瓶を洗って捨てようと思いふと裏面を見たところ、とても魅力的な文章を見つけました。
小説の一文よりも現実世界に実際に商品説明としてこの文章が今の時代もあるということがカッコよくて、昭和の香りがふわっと体を包みました。
9と4分の3番線を利用して異世界へ行くように、電気ブランの裏面の説明から私は昭和の世界へ飛び込むのです。