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輪郭が変わった❗️
二年前の今頃
私はお粥さんと潰したバナナを毎食食べていました。
親知らずの抜歯手術をしたからです。
10年前から近所のかかりつけの歯科医院から大学病院で抜くことを勧められていましたが、何かと用事があったり恐怖心もあったりでのびのびになっていました。
なぜ大学病院で?
私の親知らずは横向きに歯茎に埋もれていて、またその歯のすぐ下には血管があるため、何かでその血管に触れたら輸血が必要になるからです。
近所の先生は福岡歯科大の教授宛に紹介状を書いてくれましたが、「おそらく教授には会わないと思いますよ。若い先生しか直接患者さんを診ませんからね。」
「まぁ、しかたない。教授だからって腕が良いとは限らないし。」
ここで良かった
初診の当日、年配の先生がまず丁寧に診てくれました。その方は教授でした。
そして、30代半ばくらいの若い先生が主治医になりました。横尾先生という方です。
オペの日が決まりました。
この外来のすぐそばに小児歯科がありましたが、子供たちは先生や看護師さん達に打ち解けていて、大学病院の印象がこの1日で随分変わり、ここで良かったと思うのでした。
オペ当日
さて、いよいよオペの日。実はこの手術には後遺症が残るかもしれないと先生から予め、言われていました。「顎にしびれが残る可能性があります。と。
家族は、やっぱりやめたほうがいいのでは?と行きがけのタクシーの中でも言いましたが、私はなんとなく「私は運が良いから、大丈夫。」と何故かしら根拠のない自信があって、そのまま病院に向かいました。
こんな道具を使うのか…..
いつもの診察台のような感じのオペ用の台で、横尾先生ともう1人助手の先生が両側にいます。そして私の目の前に次々に20センチくらいの大きなクサビのような道具が何本も用意されました。
「これで、親知らずを砕くのか…な…]
「さぁ、小山さん。今から始めますね。痛かったら左手を上げてくださいね。」
「はい。」「局所麻酔をします。」(麻酔をするからそんなに痛くないかな)
とんでもなく甘かった。
奥歯にガンガングイグイ!!!(な、なに。この物凄い痛みは…..)
「大丈夫ですか?」(ああ〜こんなはずじゃ。大丈夫なわけないし…)
「頑張ってください、もう少しですからね。」(ちっとも慰めにならないし…)
1時間くらい経っただろうか。
「はい、終わりましたよ。起きても良いです。よく頑張りましたね。
小山さんが頑張ってくれたので、僕も頑張れました。
後遺症は全く残りませんよ。今どうですか?」
左手を上げました。「ハハハ、もう口をきいてもいいんですよ。」
(あ、そうだった)「はい、大丈夫です。ありがとうございました。」
オペのその後
姉は近所の歯科で同じ手術をしました。私より条件が難しくなかったので。
でも、1ヶ月は口が開かず、ちょっとしか開かない隙間からお粥をやっと入れてました。なので、私の同じーと思ったのですがー
翌日、恐る恐る口を開けてみたら、なんの苦も無くちゃんと大きく開きます!
「すごい!先生の腕が良かったんだね!」やっぱり「ここで良かった」と思ったのはドンピシャリ!
ただ、口は開いても柔らかいものを食べた方が良いので、お粥とバナナのお世話になったというわけです。
それに輪郭が変わるくらい結構腫れて、「人生でこんなにほっぺが腫れることはないから、記念に写真を撮っておこうか」
抜糸の日
「先生、見てください。こんなにはれたんです。」
「写真なんて見なくたって。今はもうそんなに腫れてないから、大丈夫ですよ。
さぁ、早く寝てっ」
「先生、でも…あの…」「いいから、僕は時間がないんです。さぁ口を開けてっ。
あと、もう1回様子を見せに来て下さい。それで終わりです。」
初めてのお礼
母があなたももう大人なんだから、自分でお世話になった先生にはお礼をしなさい。と言われて、私は生まれて初めてデパートでご進物を横尾先生にしました。
後日、最後の診療日「先日は結構なものをありがとうございました。なんかすみません。もし、もう片方も抜きたくなったら、僕が責任を持って抜きますからね。」そして、初診時の教授も診てくれて、「良かったですね、しびれもなくて」嬉しかった。
近所の先生に報告に。「しびれが残ってるでしょ。」「いいえ、全然」
「教授は来なかったでしょ」「いいえ、最初も最後も診てくれました。」
「へぇー」
親知らずの本名
ところで、親知らずには思いもよらない名前がありますね。
「智歯」「知恵歯」。抜いてしまっても良いのかなって思う私でした。