島崎三歩に恋して。

はっきり言って山は嫌いだ。
否、山『登り』つまり『登山』はしたいという欲求が起こらない。
苦しいし、不自由だし、先が見えないし、登ったら降りなければならない!
虫はいるし、道は舗装されていないし、下手したら死ぬ。

「悲しい事故が起こるのは山の半分」
「楽しいことがあるのも山の半分」
「これが山」
「両方あるのが山」

と、島崎三歩は穏やかな笑顔で言う。
その瞬間、すべてのネガティブな感情は静かに蒸留されて落ち着く。

皆様お疲れ様です!166㎝78kg34歳てぃまちゃんです。(…ンゴ……)

「岳」という漫画をご存じでしょうか。
Wikipediaによれば、
「岳 みんなの山」は石塚真一による、山岳救助を題材とした漫画。
なお、単行本での題は「岳」である。
とあります。

島崎三歩はとにかくネガティブな感情を見せない男である。
島崎三歩はとにかく表情豊かな男である。
島崎三歩はとにかくつらいことを乗り越えてきた男である。
島崎三歩はとにかく優しい男である。
島崎三歩はとにかく、コーヒーの好きな男…。

恋してる以上さ、本当は私だけにやさしくしてほしいけど、三歩はそんなんじゃないのさ、みんなのもの、みんなの山で、みんなの三歩。
大きい存在、尊い存在。

前から好きだったわけではないんです。
つい先日職場の方から漫画を借りたんです。
そう、自分で持ってる漫画ですらないんです。

一発でハマりました、2カ月間で5回読み返しました。
読めば読むほど、島崎三歩という男に惚れていきました。

はっきり断言します、地球上にこんないい男は存在しません。
もし、「え、いるよ?私の恋人もっといい男やし」という方は…
本当におめでとうございます、素晴らしいことです。
…………。
(私の夫も、まあ、ええ男やで?あぃ。)

身体は大きく、健康で、明るく。(正直ムキムキです、ここかなりラヴ)
頬には救助の時についたクランポンの傷があり。
感情表現は非常に豊かで、英語もしゃべる。
どんな死体にも躊躇なく寄り添い、守り、おろす。
自分の持てる力のすべてを使い、全力で救助し。
誰よりも山を愛している。

あがぁぁぁー!!山になりたい!!!!!
いや、いやです。

ちょっと話それます良いですか?
山登りは嫌いですが、山は好きです。(でも熊は怖いです)
山月記って知ってますか?
私、結構な頻度で自分は李徴(虎になった人)なんではないかと思う時があります。
自然の中にいるときは孤独を感じないが、人ごみの中にいるとき、私は孤独を感じると言ったのはモンゴメリだったか…
他の人間といるから孤独ではないかといえば、それは全くその通りではないと言えると思います。
結局人間はみんな一人だし、その孤独とは自分自身で向き合っていくしかないんですよね。
それが好きか嫌いかは別として。
誰かと楽しむ登山も良いけど、一人で登山するのは、結構惹かれますね…
自然に抱かれていると、孤独ってホントに感じないんですよ。
町の中でもそういう瞬間ってありますけどね。
昼間と夕方の間、金色にたなびく雲を見ているときとか。

三歩は一人で山に住んでるんです、雪洞とか、テントで。
誰にも邪魔されることなく、三歩の頬の傷に触れられたら…
数々のクライミングで鍛え上げられた身体。
皮の分厚くなった大きな手、武骨な指。
日焼けした肌。
時が止まるでしょう。

あー妄想はかどるなぁ~
こんな不純な気持ちで「岳」読んでる人いないよ、マジで。
こういう楽しみ方もあること、許してください。

必ず、全巻、手前で揃えて、私のものにします。

ちなみに「岳」は映画化もされています。
アマゾンプライムにあったので、見たんだけれども…30分見れなかった…
小栗旬さんごめんなさい!長澤まさみさんごめんなさい!
出てる俳優さんみんな好きな俳優さんばっかりだったんだけど…
漫画の中の世界が完成されすぎていて、実写に心が追い付かなかった。
もし、「岳」の映画だけは見たけど、漫画を読んだことない…という方がいたら、絶対に損しているから今すぐ漫画を読んだ方がいい!!

早く!!島崎三歩という素晴らしい男に出会ってほしい。
ぜひ。

#マンガ感想文

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