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否定は時に自らの描こうとした夢を壊したがるんだ③(小説もどき)

会計をすませ、居酒屋を後にした。

さつきをタクシーで送った後、タクシーの中で色々と今日の事を考えていた。

確かに、俺は周りからの否定をうけいれたことで夢を諦めたように見えた。

よく考えてみれば、最終的に現状をうけいれたのは俺だ。

誰のせいでもない。ただ、直前で失敗を怖がっただけだったんだろうなって今になって思う。


つまり…


『自分に対する否定が積み重なり、自ら夢に対する不安を煽って夢を壊したんだ』


今になってわかる。


ただ、それが後悔ばかりだったかといえばそうではない。

仕事先の人には、良い人ばかりだし生活も安定している。


酒を呑むと少し荒れる親友もいるが…


その人たちから、後悔することより助けられることや良い方向に考えさせられることのほうが多い。


『ん?待てよ、なら今がチャンスなんじゃないか』


昔と今なら状況がまるっきり違う。


『こんな俺でもやれるかな?』


そんなことを思いつつ、家に着いた。


タクシーのおじさんにお礼を言い、お金を渡した後、家でお風呂に入り、明日の準備をして寝ることにした。


『今日は、案外考え深い1日だったな』


そんなことを思いながら俺は就寝した。





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