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タリーズのブラックコーヒー

どうもイットさんです。
いつも不動産ビジネスに関する内容を、不動産営業(特に用地仕入)に向けて、「なにかヒントになれば」と思い、記事にしています。

ただ、今回は少し違って、タリーズコーヒーについての記事を書こうと思います。
いわゆる「休憩回」です。

「私の好きなものを、記事にするのもアリかなぁ。」と、ツラツラ書きました。
軽い気持ちで読んでもらえれば幸いです。

タリーズが好きなワケ

私は、タリーズのブラックコーヒーが好きです。
スターバックスでもドトールでもコメダでもなく
「タリーズ」なのです。

なぜ好きなのか?
1つ目に「単純に味が好み」です。

タリーズのバリスタブラックの缶コーヒーは「珈琲の香りが強い」というか「風味が強い」というか、ガツンとしていて、好みなので、よく飲みます。

タリーズのバリスタブラック。コンビニによく売っている。

2つ目に「店内の雰囲気が好み」です。
タリーズの店内は、ゆったりした空間が多い設計だと感じていて、リラックスした時間を過ごせるのです。

勉強や読書をする時は、きまってタリーズです。

ゆったりとしたタリーズ店内

ただ!!!!

私自身「タリーズを好む理由が他にある」と思っていて、一番すきな理由は、おそらく「味」でも「店内の雰囲気」でもないんです。
一番の原因は「思い出」だと思っています。

すごく印象に残る思い出があるんです。
その時の思い出が、「未だに私をタリーズ好きにさせている」のです。

ある冬の日

3月。。。
私は、はじめて社会人として就職した「ブラック不動産会社」で、社長から「しごかれる毎日」を過ごしていました。(記事参照)

ブラックな環境はとても厳しく、当時、意気込んで入社した同期の営業社員は、私以外、全員退職しています。
(以下参照。)

「孤独」や「厳しさ」と真正面から向き合い、なんとか入社3年目を迎えていた頃の話です。

当時の不動産会社の社長は、とても怖い人でした。

仕事で失敗したり、報告漏れがれば
すぐさま、社長の怒号が事務所に響きます。

「馬鹿野郎!もっと責任感をもって仕事しろ!」
と。

そしてなぜか私だけ「社長と直接、連絡をとる」ルールになっており(もちろん上司がいるんですが、すっとばします。)報告・連絡・相談は全て社長におこなっていました。

「直属の上司が社長」という、地獄のような期間があったわけです。

「まずは結論から話せ!馬鹿野郎!」
「何を言ってるか分からねぇんだ馬鹿野郎!」
「なんですぐに相談しないんだ馬鹿野郎!」

こんな風に、つど怒られました。

ただ、当時は、業界でもトップレベルの成長をみせていた不動産会社です。
社長ですから、直接やりとりすることで、学ぶことがとても多かったのは事実です。

会社の創業者でもあるので、経営の考え方にも
ふれることができました。

結果を残せるビジネスマンになれたので、
地獄帰還(勝手に命名)に、いまではとても感謝しています。

とある日。
会社事務員から、突然こんな伝言がありました。

「イットさん。明日、30分早く出勤して、社長室へ行ってくれない?社長からイットさんに、『話がある』って言われているの。」

「へ?」

私は、勤めてから3年間、社長室へ入ったことはありませんでした。
それこそ、あらたまって「社長から直接、話がある」と言われたこともありません。

「なにかやらかしたかな?
うわぁ、また怒られる。」

もう私の気持ちはブルーです。
思い当たる節もたくさんあります。
「契約できなかった案件のことか?
勤務態度が悪い?
社員も増えてきたし、まさかクビ!?」とか。

絶対的な存在である社長から「怒られる」と決まっただけで、いてもたってもいられません。
ソワソワします。
ブラック企業の社員とは、そういうものです。

私は、その夜、最寄りのイタリアンバーで
とても深い時間までお酒を飲んで、気を紛らわしました。

イタリアンバーのマスターに
「明日、社長に呼び出されましたよ〜。
もう嫌だぁ!」
と泣き言を漏らしながら。笑

案の定、次の朝は、酒の飲みすぎが原因で、ひどい二日酔いでした。
起きた時間も、約束の時間ギリギリです。

「しまった!社長に呼ばれているのに!
急がないと遅刻だ!殺される!」

二日酔いと、寒い朝の空気で、顔を真っ赤にした私は、息を切らしながら、まだ誰もいない会社のデスクにカバンを置いて、大急ぎで社長室へ駆け込みます。

「おはようございます!」

「おう!そこに座れ!」

なんとか間に合います。

そして私は、社長室にある革製のソファに腰をおろし「なにを怒られるんだろうか?」とドキドキしながら社長の口が開くのを待ちます。

そして、社長は、向かいの席に腰を下ろすと、私に向かってこう言いました。

「うちの会社は、支店をだす!お前は、そこの店の副支店長になれ!俺の考え方とか仕事の仕方を、身を持って経験したお前に、会社の中心となってもらう。」

「え?」

「会社の成長の柱になって、今後、うちの会社を支えろ!」

想定外の言葉です。
なにを怒られるのかと思っていたら、まさか人事昇格の通達でした。

驚きと嬉しさで、なにも声がでません。
「頑張ってきてよかった、、、社会人のペーペーである私が、一つのお店を任せてもらえるんだ。」

怒られてばかりいた私が、はじめて社長から認められた気がして、とても嬉しく思いました。
「心が踊る」とはこういうことか、と。

私からの返事も待たず、社長は無愛想に要件だけ伝えると、私の赤い顔をみてこう言います。

「お前!昨日、酒を飲んだな!酒くせぇ!」

「す、す、すいません!」

社長室には、私と社長の二人だけ。
私のごまかした作り笑いで、少し場が和みます。

「とにかく、会社を引っ張るのはお前だ!これからは、もっと厳しいコトがあるかもしれないが、頑張れ!」

「はい!ありがとうございます!」

「あと、酒くせえから、これ飲め!」

そう言うと、社長はおもむろに席をたち、冷蔵庫から『タリーズ』の缶コーヒーバリスタブラックを、私に向かって投げました。

社長から放られたタリーズの缶コーヒーを、私は落とさないように両手で受け止め、一口いただきます。

二日酔いと緊張で口がカラカラだった私の喉を、キンキンに冷えたブラックコーヒーが潤してくれます。

「では、失礼します!!!」

バタンと扉を締めて、社長室をあとにした私は、タリーズのブラックコーヒーを飲みながらこう思います。

「つらいけど続けてきてよかった。俺はもっと、不動産の仕事で頑張っていこう。」

その日は、一日、
感動の余韻に包まれていました。
二日酔いで、
その日の仕事は何をしたのか記憶にありません。

ただ、これだけは覚えています。

タリーズのブラックコーヒーが、
香り深く、とても美味しかったことを。


今でもタリーズを飲むと
あの時の高揚した気持ちがよみがえるんです。
そして、ふと思います。

「もっと不動産の仕事を頑張ろう」と。

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Dev🏠
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