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差額の落とし所は、相手に提案させる。

おはようございます。

木曜日に、不動産の仕入営業にむけて「ビジネスヒントになる記事」を投稿しています。

今日は、交渉テクニックです。


落とし所とは?


木曜日に無料で読んでもらう記事は、業界の初心者向けにも買いているので、丁寧に説明していきます。

不動産の仕入をおこなうときに、あなたは落とし所を探ることがあるでしょう。

たとえば「5,000万円で不動産を買いたい仕入営業」と「6,000万円で不動産を売りたい売主」がいたとすると、落とし所は「5,500万円」になります。

「お互いに、希望する金額の間をとって契約しましょうね」という平和的な解決方法です。

「落とし所」を頭に入れて交渉するのは当たり前ですが、落とし所を見極めて、有利に交渉をすすめる方法を知っている人は少ないと思います。

そんな、交渉を有利にすすめる方法を紹介します。


交渉の有利な進め方とは?


鉄則があります。

ずばり、『落とし所を、相手に提案させる』です。

言い方を変えれば「自分からは、落とし所を提案しない」ですね。

なぜか?

相手から提案させることで「こちらの立場が優位になるから」です。

どういうことか?

具体的な進め方を踏まえて説明します。

先ほどの例で、「5,000万円で不動産を仕入れたいあなた」と「6,000万円で不動産を売りたい売主」がいたとして…

あなた(仕入)は、5,000万円の買付を出しても、売主の希望に届かないことが分かりました。

そこで、仲介を介していれば、こう言うべきです。

仕入:「ここまで頑張ったから、諦めたくありません。もう少し買い上がる余地がありそうなので、上に掛け合ってみます。」

すると、大抵は、お互いの差額の折半額が頭に思い浮かぶものです。(ここでいう「5,500万円」ですね)

ここで、仲介から「では、間をとって5,500万円で売るか、売主に聞いてみますか?」とくれば、当たりです。

または

仲介業者が協力的であれば、あなた(仕入)から、こう聞いてみてもいいでしょう。

仕入:「売主に、間の金額で売る気があるか聞いてみてもらえませんか?もし前向きであれば、決裁者に掛け合ってみるので!」

売主(または仲介)から「5,500万円まで買い上がりませんか?」と提案させるのです。

仕入(あなた):「分かりました。5,500万円まで買い上がるか、決裁者に頼んでみます。明日また連絡しますね。」

お気づきでしょうか?

この時点で、売主は「5,500万円で売る」という意思が固まりつつあるのに対して、仕入のあなたは、”一切、譲歩(買い上げ)すること”を約束していません。

「売主さん、あなたのために、がんばって買い上げるね。待っててね。」という優位な立場を演出しているのです。

で、応用編です。

折半価格(5,500万円)でまとめちゃうのもいいですが、もう一歩踏み込んでみましょう。

仕入:「いやあ、すみません。決裁者が5,500万円だと許さなくて…ここまできた話なので、もう少しいい案はありませんか?」

仲介:「んー、では、5,500万円と5,000万円の落とし所として、5,250万円までは買い上がりませんか?」

仕入:「売主が売ると約束するなら、次はこちらも買い上げをお約束します!」

これで、もし、売主がGOサインを出してくれるなら、当初の割合からいくと、『75:25』で契約です。

つまり、”折半の折半”で合意した(させた)ことになり、仕入営業としては非常に優秀な働きです。

単に、落とし所の5,500万円でまとめるよりも「250万円も安く買えた=利益をあげた」ことにつながるのですから。


まとめ


ようするに、差額の落とし所を相手から提案させることは、こちらが優位に立てるのです。

そのおかげで

差額の折半どころか、折半の折半(75対25)でまとめることも可能になります。

コツは

”「売主のために、買い上げを頑張る営業マン」を演じること”です。

この交渉術は、会社の承認を得て買付を出す「仕入営業」という仕事において、非常に相性のいい手法なのです。

くわえて

差額の折半を提案するように仕向けたおかげで、もし、5,500万円までしか値下げ(1回しか折半)できなかったとしても、売主は「買取業者が、買い上げてくれた!」と感じます。

こちらが買い上げに奔走する構図を作り出せば、売主は「買取業者が、わたし(仲介)の提案に応じてくれた!」と思ってくれるので、売主は交渉に勝利した気になるのです。

これは重要なことで

もし、売主が、しぶしぶ金額に合意していたら、条件面で調整が必要になったときに、こちらの言い分を聞いてもらえません。

契約日まで間があけば「やっぱり気が変わった」もあり得ます。

やっぱり

売主には、「お得だ」とか「勝利した感」をもってもらうことが、契約をきちんと締結するために必要な要素なのです。

わたしたちの仕事は、あくまで仕入契約が第一のゴールですから。

仕入の前提として、「買い上がる余地があるか」「買取の競合がどれだけいるか」はチェックしておかないといけませんが、金額の合意を目指すために有効な交渉術の紹介でした。

仕入営業のみなさん、ぜひ活用してみてください。


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