2013年9月12日の日記
ベートーベンピアノ協奏曲5番を聴きながらこの文章を書いている。一応日記のつもりだ。
今日は朝から図書館へとでかけた。今日はここ数日に比べて暑かったが、夏の盛りに比べたらなんということもなかった。日陰に入ればむしろ涼しいぐらいに初秋の風が吹き抜けた…道を歩きながら秋の七草はなんだったっけ?…と考えていた。萩と桔梗だけは思い出せたがそれ以外はどれだけ頭をひねっても駄目だった。
図書館へ至る前に通る最後の信号の近くにある青い花を見た。この花の名前はなんだったっけ?と考えた。もちろんわかるわけはない。すぐに信号が変わったので僕は歩き出した。また思考はめまぐるしく変わる。今度は図書館前の広場においしげるメタセコイアのことを考えていた…
図書館では日本の歴史シリーズ・町人の実力編を読んだ。もうこの本も随分長いこと読んでいるがなかなか読み終わらない。全くもどかしいことだ。江戸にどれだけ火事が多かったか。加賀藩の江戸詰の人々で組んだ火消し隊が有名だったこと、火消しが重要な仕事であったがために、どこの組が火を消すかということで争いがあったということなどを知る。江戸を定期的に襲う火事はまさに火の悪魔で、それに敢然と立ち向かう火消したちは町のヒーローだったのだろう。人々の憧れの職業になっていた理由がよくわかる。
家に帰りそうめんと炊き込みご飯を食べる。フジテレビはみのもんた次男逮捕についてのニュースをひたすらやっていた。日本テレビでは一切そのことには触れていなかった。当然である。なぜなら日本テレビの社員だったのだから。それにしても次男は若い頃の脂ぎっていた頃のみのもんたにそっくりだった。性欲の強い男は遺伝子の力もやはり強いのだろうか?そんなくだらないことを私は考えてしまった。
(中略)
一方現実の僕は家でピノキオpの曲を聴いたり、HITOMIの君のとなりを聴いたり、remember11の考察サイトを見たりしていた。なぜ今更remember11なのか?それはわからない。しかしはあれは物語のキャラクターに対しての絶対者=プレイヤーに復讐するという話だった。それは主題としてはなかなか悪くない。それをもっとわかりやすく、表現することができれば…
しかしどうやればいいのかということは思いつかない。もっと研究が必要であろう。…それにしてもremember11をやったのはどれくらい昔のことだったろう?2008年とか2009年とかそのぐらいの頃ではなかっただろうか?4年前、5年前なんていうのは私にとってはもはや古代である。ホメロスが生きて、ヘシオドスが鍬を持って田畑を耕しながら詩を口ずさんでいた時代に等しいのだ。まったく。
それからランニングに行った。面倒くさいから行くのやめようかとも一瞬思ったけれどなんとか踏みとどまって出かけた。18時であったがすでに外は暗くなり始めていた。このことからも初秋なのだということがわかる。空に半分にかけた月がかかり、青白く街を照らしていた。
河原についたころにはもうかなり暗くなっていて、周りのものはよく見えなくなっていた。だから慎重に歩かなければならなかった。私はかつて部活をやっていたころの運動神経をフル活用させ、いつどこから人間があらわれても即座によけることができるように注意した。
その甲斐あってか人間とぶつかることは回避できた、しかし意外なものが私に繰り返し繰り返しぶつかり続けてきた。…姿は見えなかったから確証はないのだけれど、それは蝶であった。それは走っていると首筋や、頭や、胸などにばちん!と音をたててあたるのだ。それははっきりとぶつかった!という感触を伴うのである。それが蚊や蝿であるならぶつかった感覚はもっと他愛のないものであるはずだ。しかし私がその時感じたのはそんな柔なものでなかった。ぶつかった瞬間「バチバチ!」と音を立てて、ぶつかった場所にはしっかりと感覚が残るのだ。…あたりを見てみると、それだけ大きく、またあたりを跳んでいるのは蝶しかいない。これは蝶だと結論づけるのも仕方のないことだろう。
攻撃は大したことないといっても、いつその攻撃がくるのかわからないままに真っ暗闇の中を走るのはなかなか怖いものである。バキ!が確か暗い洞窟の中でこうもりを返り討つ修行をやっていたことがあったが、気分としてはなんだかあんな感じだった。人間のような巨大なものなら避けることができる私でも、蝶はさすがに避けることはできなかった…
途中、少女たちがダンスの練習をしている光景にでくわした。汗をあたりにとびちらせながら何か運動をしている少女はいつ見てもいいものだ。あまり見つめすぎず、私はそのそばを走り去った。
夕食はマーボードーフとポテトサラダであった。私の好きなものばかり。こういう夜もあるのだ。
夜はフローベールの書簡を読み、そして今こうして日記を書いているわけだ。どうだ、楽しそうだったか?まあ君がどういう判断を下そうが、私はそれなりに今日という1日を楽しんだよ。そのことをわかってくれさえすれば、僕には何も言うことはない。もちろん、この文章はフローベールの書簡の影響を受けている。そのぐらいは大目に見てくれるね…
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