グリム童話「灰かぶり」
「シンデレラ」「サンドリヨン、または小さなガラスの靴」「灰かぶり姫」。ペローやグリム以外にも世界中にこの話のバリエーションはあって、登場人物や小道具、結末までずいぶん違うのに驚かされます。
絵はグリムの「灰かぶり姫」。そこにはかぼちゃの馬車と魔女は登場せず、山鳩がその役割を。また有名な小道具ガラスの靴はなく「金の靴と銀の衣装」。クライマックスに向けて王子様に追われる灰かぶり姫の疾走ぶりは、まるでG.マルケスの「エレンディラ」のラテンのパワーすら感じさせます。ここからディズニープリンセスの「シンデレラ姫」が生まれるとは、そのアレンジ力たるや。様々な派生や変遷のあるおとぎ話を描く面白さがあります。