【国家による挑戦プロジェクト】
戦争博物館に行ってきました。その博物館は那須高原の観光地の一角にあります。周囲の華やかな雰囲気の中で、そこだけ違う空気感を放っています。砂利敷きの広場に小屋があり、それに並んで朽ち果てた戦車や戦闘機の星型エンジンが置いてあります。表通りからもよく見えます
奥に木造建物が3つ。砂利の広場の隅にクルマを停めて、小屋でチケットを購入して入ります。奥の建物には幕末から昭和の戦争までの生活用品から武器・軍用品まで、所狭しと並べられていました。その展示資料は1万5000点あるそうで、館長はシベリア抑留からの帰還者。個人のコレクションだというから驚きます。
航空機のエンジンなどは70年前とは思えない精巧さを感じます。恐らく当時は最新の技術を惜しみなく注ぎ込んで作ったであろうことがよくわかります。また国民を総動員したその様子は、財政の全てを戦争に注ぎ込んだことがよくわかります。農民含めて男子をごっそり徴兵したことは一次産業を完全に無視し、兵と兵器に全てをかけたのでしょう。
展示資料を見ていると、幕末からの展示は私たちの生活が江戸時代からの完全なるつながりを見せてくれます。また戦争が国家の壮大な挑戦であったことが肌身に感じられる展示でした。「国家」を標榜する一部の者の行動に国民が扇動されていった歴史を見ると、煽りに乗ってはいけないなと感じます。自分にとって何が大切なのかをしっかりと持っていたいと改めて思いました。