連載小説 ロックンロール先生(28)
僕は毎日ネットで先生の手掛かりを探していた。ある日インスタで見覚えのある白のストラトが写っているのを発見した。
このキズの具合からして、先生のストラトに間違い無かった。僕は思い切ってダイレクトメッセージを送ってみたが返事は来なかった。
学園祭のライブはオーディショントップ通過の僕達がトリを務めると思っていた。だが何故か出番は七組中の二番目だった。
世の中には権力や忖度と言った大人の事情がある。実績も力も無い僕達にはどうしようも無い。僕は最近その事に気付いた。これが大人になると言う事なら、大人になる事に魅力を感じない。
曲がった事が大嫌いなグラハムは、だから俺は出たく無いて言うたやん、と機嫌を損ねたが、可愛い子がいっぱい観にくるかもよ、と言うコージーの一言で一発で直ってしまった。
学園祭のライブは大盛況で客席はほぼ埋まっていた。その大半は女の子が占めていた。
つづく
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