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連載小説 ロックンロール先生(27)


「...」

オーディション会場がしんと静まり返っていた。僕達には拍手一つ起きなかった。

アドレナリンが落ち着いた僕は、会場を見渡した。軽音のコピバン連中が唖然と突っ立っている。審査員達もポカンと僕達を見詰めている。

音がデカすぎたかな、演奏がダメだったかな、でも良い、僕達はやり切った、全力出し切った。僕は天を見上げた。

「パチパチパチパチ、、」

しばしの静寂の後、一人の審査員が拍手を始めた。先程欠伸していた審査員だ。すると隣の審査員も拍手を始める。拍手は次第に大きくなり、会場全体が大きな拍手に包まれた。

「何だこの曲は?」

「聞いた事無いぞ」

「なんかオリジナルらしいぞ」

僕達への賞賛の拍手の中、落選第一候補と上から目線で見ていた軽音の先輩達がざわついていた。

下馬評を覆し、僕達のバンドは学園祭ライブのオーディションを最高得点でトップ通過した。


つづく

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