連載小説 ロックンロール先生(24)
僕達のバンドはコピー曲にオリジナル曲が数曲加わりレパートリーも増えた。今夜の打合せの議題は、学園祭のライブに出るか出ないかだった。
学園祭のライブに出るのは、軽音サークルのバンドがほとんどだった。グラハムはチャラいコピバンの連中と一緒に出たく無いと学園祭のライブに出る事に反対だった。
だが人前で演奏出来るのは良い経験だと前向きだったのは、意外にもベースのシミーだった。
いつも打合せでは、飲んだくれて暴れた末すぐ寝てしまい、ほとんど意見などしないシミーが今日は寝ずに熱く語っていた。
グラハムは珍しく積極的なシミーの姿に渋々ながら出る事を了承した。自分の気持ちを吐露して満足したのか、その後シミーはいつものように飲んだくれ、今夜は暴れずに寝てしまった。
学園祭のライブに出るにはオーディションがある。僕達を含め二十組近いバンドの中から、本番に出られるのは七組だけと言う結構な狭き門だった。
つづく
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