連載小説 ロックンロール先生(14)
「日本史やるならコレがいいよ」
内木さんは僕に山川の一問一答日本史と言う問題集を差し出した。パラパラとページを捲ると、付箋があちこちに貼られ、小さな字で沢山の書き込みがしてある。
「私はこれしかやってないの」
成績優秀な内木さんが言うのだから間違い無い。僕は迷い無く受験科目を日本史に決めた。
すぐに同じ問題集を買い、二人で日本史の問題を出し合ったりした。内木さんと共通の話題がまた増えた事が僕は嬉しかった。
内木さんとYouTubeでオジーオズボーンを聴いてると先生がやって来た。
「お二人さん、中々センス良いの聞いてるねえ」
「先生!私、オジーのランディローズのギターが好きなの」
「ランディは白のレスポールだよな、あの小さな身体から奏でる繊細な音が良いよな」
「飛行機事故で死んじゃったんだよね」
「さすがよく知ってるな」
先生と内木さんのロック談義が始まった。二人がロックについて語り始めると止まらない。初めて聞く話ばかりの僕は、へえと感心しきりに聞いていた。
つづく
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