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連載小説 ロックンロール先生(33)


学園祭ライブの後、僕達は軽音サークルに見切りを付けた。オリジナル曲を更に増やし、全曲オリジナルのライブハウス公演を目標に練習に励んだ。

練習スタジオに足繁く通う内、ロックバンド仲間も増えた。プロデビューを目指すと言う彼等はレベルも意識も高い。ロック好きで酒好きな楽しい奴らばかりだった。練習後はいつも彼等とつるんで街へ繰り出した。

僕達は仲良くなったバンド達と共催で、念願のライブハウス公演をする事になった。僕は先生であろうと思われるインスタに、ライブを観に来て欲しい、とダイレクトメッセージを送った。だが今回も返事は無かった。

ライブハウスには学園祭ライブのサクラ達やロック好きな友達も来てくれた。

サクラ達に釣られたのか、他の客も乗りが良くライブは一曲目から大いに盛り上がった。僕達は立て続けに三曲演奏した。グラハムのMCになった時、客席にライトが照らされた。

先生!僕は思わず叫びそうになった。

客席後方の壁にもたれて先生が立っていた。


つづく

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