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連載小説 ロックンロール先生(15)


あの二人は出来てる、と言う噂が最近広まってるらしい。僕と内木さんは放課後毎日の様に一緒に居るのだからそう思われても仕方ない。いやそう思われる事は、僕にとって嬉しい以外の何者でも無い。

AC/DC
スコーピオンズ
イーグルス
ドゥービーブラザーズ...
内木さんは次々とロックのCDを持って来ては僕に貸してくれた。

ロックバンドの歴史はメンバー同士の諍いや移籍など興味深いエピソードに溢れていた。僕は先生と内木さんのロック談義の内容を山川の日本史に逐一メモした。

日本史は全然覚えられなかったが、ロックの歴史はどんどん頭に入った。山川の日本史はロックネタの書き込みでぎっしり埋まり、山川のロック史と化した。

「私が一番好きなギタリストだよ」

内木さんはジェフベックのライブワイアーと言うアルバムを貸してくれた。

「ジェフベックはね、ピックを使わないで指で弾くの、凄いでしょ?私は世界一のロックギタリストだと思ってる」

エレキギターを指で弾く。僕はストラトを弾くジェフベックのCDジャケットを見つめた。


つづく

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