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連載小説 ロックンロール先生(10)


先生が授業で教えてくれる曲には知らない単語が沢山含まれていた。僕はそれを繰り返し聴いている内に英語の語彙が知らぬ間に増えた。

先生は敢えて受験生に必要な単語の入った曲を選んでくれていたのかも知れない。

放課後僕は教室で「天国への階段」を練習していた。先生が弾いてくれたあのカッコいいギターが弾ける様になりたかった。

「わあ、上手いじゃん!」

突然内木さんが教室に入って来た。

「う、内木さん、、」

「いとしのレイラ弾ける?あの曲私大好き」

「レイラはまだ弾けないんだ、ギター始めたばっかだし」

「ふーん、でも山田君はいいなあ、担任が六田先生で、私ロックが大好きなの」

今日僕は憧れの内木さんと初めて口を聞いた。彼女は僕の名前も知っていた、しかも彼女がロック好きだったなんて。先生が教えてれた天国への階段が、僕と彼女を引き合わせてくれた。


つづく

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