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連載小説 ロックンロール先生(17)


「よう、ルーシー、最近レイラ来ないな、ケンカでもしたか?」

先生はいつからか内木さんの事をレイラと呼ぶ様になっていた。僕はジェフベックの件で気まずくなったと話した。

先生は白のストラトを手に取りつま弾きながら言った。

「なるほどそういう事ね。ルーシー、知ってるか?このストラトはジェフベックモデルなんだ」

ジェフベックのストラトは白。僕は内木さんに借りたCDのジャケットを思い出した。

「レイラはいつもこのストラトでジェフベックの曲を弾いて欲しいと言ってたぞ、ルーシーお前にな」

その日から僕は毎日ジェフベックの曲ばかり聴いた。古いアルバムから最新の物まで全てアマゾンで買い揃えた。受験勉強はそっちのけで聴きまくった。

聴けば聴くほど僕は確信した。

「これは間違い無くロックだ!内木さんごめん!僕がバカだった!ジェフベックをフュージョンだなんて、ごめん、ごめん、許して内木さん」

内木さんに会いたい、謝りたい、そして僕の気持ちを伝えたい。僕はロックのメモだらけの山川の日本史に突っ伏して泣いた。


つづく

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