連載小説 ロックンロール先生(11)
僕はいとしのレイラを必死に練習した。この曲が弾ける様になったのを内木さんに見てもらいたかった。
「ようルーシー、ギターに目覚めたのか?最近やたらと熱心じゃねえか」
放課後、毎日僕が練習している事を先生は知っていた。
「レイラか、この曲は授業で教えて無いが、どこで教わった?」
「あ、いや、前にどこかで聞いた事があって」
「ふーん、そうか、クラプトンは黒なんだけどな」
と言いながら先生はホワイトのストラトを手に取ると、シールドケーブルをアンプに挿した。まあこんなもんかな、と先生は沢山あるアンプのつまみを調整した。
「オーケー!見本見せてやる」
先生はレイラのリフを弾き始めた。アンプから響くギターはYouTubeのエリッククラプトンと全く同じ音だった。すごい!僕は先生のギターに聴き惚れた。
「うるさーい!また六田先生!何やってんですか!」
教頭のママゴンが飛び込んで来て僕は我に帰った。アンプのボリュームが最大になっている。
「先生、ダメだよ!ボリューム上げ過ぎ!」
僕は慌ててアンプのつまみを片っ端から下げた。すると迫力満点だったギターの音は急に貧弱な音になってしまった。
「おいおい、下げちゃダメだって、せっかくクラプトンのギター再現してやったのに」
仁王立ちしているママゴンには目もくれず、先生はアンプのつまみを元に戻していた。
つづく
ロックンロール先生がトロフィー頂きました!またまた英語部門😅
読んで頂きありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?