連載小説 ロックンロール先生(13)
内木さんは放課後になると、毎日の様にギターを弾いている僕の所にやって来た。
先生の授業の話やロックの話、僕達は色んな話をした。僕は先生の構文のおかげで英語の成績が伸びた事を話した。
「あはは、このロック構文最高!これなら私もすぐに覚えられそう」
可愛いし気さくだし、何と言ってもこの笑顔。いつも僕は見惚れてしまう。
内木さんは僕にホワイトスネイクのCDを貸してくれた。
「ホワイトスネイクって男性のアレの事なんだよ」
こんなに美人な内木さんの下ネタに、僕は答えに窮してしまった。内木さんはウフフと悪戯っぽく微笑んだ。そんな小悪魔みたいな所も尚更僕を魅了した。
陸上部の最後の練習の日、僕が一人でギターを弾いていると先生が入って来た。
「よう、ルーシーどうした、今日は一人か」
「内木さんは部活です」
「ふーん」
先生は黙って窓の外を眺めていた。
「彼女がお前のいとしのレイラなんだろ」
トラックを走る内木さんを見下ろして先生はポツリと呟いた。
つづく
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