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連載小説 ロックンロール先生(2)


「今日からマリリンの旦那さんが来るんだって」

「どんな人なんだろう、マリリンと同じでぶっ飛んでる人かなあ」

「いやいや逆に真面目な人だったりして」

翌朝僕が登校すると、クラスは新しい担任の話題で持ちきりだった。

「ガラガラガラ、バーン!」

ホームルームのチャイムが鳴りしばらくして引き戸が勢いよく開いた。ざわついていた生徒達は静まり返り、扉に一斉に目をやった。

「よいしょっと」

しばしの静寂の後、大きなアンプを持って現れたのは細身の男だった。赤いチリチリのロン毛、ピチピチのシャツと黒の皮パンツ、夏だと言うのに皮のブーツを履いている。男は大きなアンプを教壇に置くとまた廊下に出て行った。そして黒の長方形のハードケースを持って再び入ってきた。

僕達は唖然とその様子を見守っていた。

男は教壇の上でハードケースの留め金をパチパチと外して開けた。中には艶々と輝きを放つエレキギターが入っていた。隣のギター好きの友人が、おお!と歓声を上げた。

男は丁寧にギターを取り出しストラップを肩に掛け、ギターとアンプにシールドケーブルを差し込んだ。


つづく

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